19や20歳でもうF1表彰台ってどうなってんだ!? どんどん低年齢化が進むF1界「驚異の新人」はどうやって上り詰めたのか (2/2ページ)

才能あふれる若き天才ドライバーたちのレースキャリア

・アントネッリ:7歳でカート、15歳でイタリアF4選手権デビュー
・ハジャー:8歳でカート、15歳でフランスF4選手権デビュー
・ベアマン:8歳でカート、15歳でADAC・F4選手権とイタリアF4選手権デビュー
・ボルトレート:8歳でカート、15歳でイタリアF4選手権でデビュー

 つまり、4人ともほぼ同じような経歴で、4輪レースデビューからレーシングカートで7~8年のレースキャリアがあり。いずれも非凡なリザルトを記録して、自動車の運転免許を取得出来る18歳よりも早く、15歳でジュニアフォーミュラへステップアップしている。

 そこで、それぞれ優勝やポールポジションを記録していくわけだが、F1のシートを射止めるための決定打になったのは、以下のように有力F1チームのジュニアチームに抜擢されたことだろう。

・アントネッリ:13歳のカート時代、2019年に「メルセデス・ジュニア・チーム」へ加入。当時から神童と呼ばれ、2020年と2021年に「CIK-FIAカート欧州選手権」2連覇。
・ハジャー:「FIAF3」のデビューレースで初出場初優勝を果たし、2021年に「レッドブル・ジュニアチーム」へ加入
・ベアマン:「BRDC・F3(GB3チャンピオンシップ)」デビュー戦2位、次戦でポールtoウィンを果たし、2021年に「フェラーリ・ドライバー・アカデミー」へ加入
・ボルトレート:2022年にフェルナンド・アロンソのドライバーマネジメント会社に加入。参戦初年度で「FIA F3」のチャンピオンになった2023年、「マクラーレン・ドライバー・デベロップメント・プログラム」のドライバーに

 このように、現代のF1のトップチームは、非常に長期的な戦略を考えているのだ。テクノロジーがこれだけ進化しても、F1でコンマ1秒を縮めるには、マシンの開発よりも速いドライバーにハンドルを託すほうが、コスパがいいことを熟知している。カート時代からダイヤの原石を見つけ出し、ジュニアフォーミュラ時代には囲い込みをかけるのが定番になってしまった。

 そして、実際そうして見出したドライバーたちが、F1で結果を出してくるのだ。いまやF1ドライバーになるのは、大人になってからでも目指せる宇宙飛行士になるよりも、ずっと狭き門だともいえるだろう……。


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藤田竜太 FUJITA RYUTA

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