日本車がヨーロッパで生き残るためには環境対策が必至
現行のユーロ6でさえも日本車には厳しく、スポーツカーのみならず、たとえばスズキのジムニーも同じ理由からすでにヨーロッパ市場では販売終了となっている。ジムニーは同排ガス規制問題で乗用車としての継続販売が困難となり、後部座席を取り除いた上で商用車としての販売に乗り切ったものの、結局は販売終了に追い込まれており、もう新車販売はされていない。
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ドイツの連邦自動車局によると、2025年7月のドイツ国内でのホンダの全モデルの自動車の新車登記数は790台、この月のドイツ国内のマーケットシェアにしてわずか0.3%という低さだ。この販売台数のなかで、EUの排ガスや燃費規制などに適合するようにするための莫大な設備投資や研究開発費用を捻出するには、到底採算が合わないのは一目瞭然だろう。
ヨーロッパでは日本車のスポーツカーは、日本で購入するよりも随分と割高ながら、ドイツ車のスポーツカーと比較するとお買い得感があり、一般的な所得の国民でもなんとか工面出来そうな価格帯だけにコアなファンも多い。だが、もう新車では手に入らないとなると、中古車価格の下落は防げるが、ほしくても手に入らないという落胆のほうが強いのかも知れない。
EUの排ガス規制によりヨーロッパ市場より撤退するシビックタイプRだが、その一方で、日本より約半年遅れとなるものの、2026年春にはホンダの新型プレリュードがヨーロッパでも販売されるという朗報も入っている。近年のヨーロッパの日本車市場は軒並みハイブリッドへスイッチせざるをえない状況にあり、ホンダは新型プレリュードもe:HEVで社運を賭けることになる。
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日産は2022年に発表した新型フェアレディZもEUの排ガス規制の問題でヨーロッパ諸国では販売をしていないことから、日本のハイブリッドスポーツカーの第1弾となるプレリュードに期待が寄せられる。