読めば街の配送業者にもっと優しくなれる!? 軽バン配送を体験してわかった「外からじゃ見えない」苦労10選 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■配送には体験したことがない人にはわからない苦労がある

■駐車や荷物の積み降ろしや季節・気候に関する苦労が多い

■街なかで働く配達員を見たときは暖かく見守ってほしい

配送業務には配送ならではの苦労がある

 インターネットなどで注文するだけで品物があっという間に届く宅配便を、利用したことがない人はいないだろうが、実際に品物を配達する側の立場になると、外から見ただけではわからない苦労がいくつかある。

 指定された住所に荷物を運ぶだけだから簡単でしょ? と思うかもしれないが、実際にはそんなことはない。確かに作業自体は複雑ではないものの、実際に荷物を手渡すまでにはいくつかの苦労がある。そこで、今回は、実際に宅配をやってみて感じた苦労話をご紹介しよう。今回はパンフレットを大量に中学校へ届けるのが目的だ。

1)通行の邪魔になりそうなときにめちゃくちゃ気まずい

 片側1車線しかない道路で荷物を積み降ろしする配達員を見たことはないだろうか。なかには通行の邪魔だ、もっと広いところで作業しろ、と思う人もいるかもしれないが、この場面で一番焦っているのは配達員だ。

 1秒でも早く荷物を渡してクルマに戻りたいと思っている。そして心のなかでは「ごめんなさい、すぐやります」と唱えている。クルマに戻るまではダッシュなのはいうまでもない。

2)雨の日は晴れの日の3倍は疲れる

 今回のように運搬物が紙類の場合、雨は大敵だ。積み込むときは屋根下というケースが多いが、配達時には荷物がむき出しになる。それに水分を含むと包装紙が破れたり、落としでもしたら水浸しになるため、晴れのときよりも神経を使うのだ。

 配達先の上げ降ろしでいちいち傘などさしている余裕はないため、荷物を守るために配達員はびしょ濡れで働くのだ。

3)舗装道路だからといって油断できない

 多くの荷物を運搬するときに台車は非常に便利だが、使ってみると意外な弱点がある。それは、思った以上に振動が大きくて荷物がずれるということだ。歩いているだけなら何ら気にならない舗装道路も、いざ台車を押してみると、表面のデコボコで荷物がどんどんずれていく。それもちょっと速く押せば横にずれ、ちょっと立ち止まれば前にずれる。紙の包装紙は表面がツルツルしているので、この傾向が顕著に表れるのだ。

 台車にもサスペンションがほしいと思う瞬間は何度もあった。

4)荷物の高さに比例して腰への負担が急増する

 そこそこ開口部が下にある軽バンだが、荷物の搬入はそれなりにキツイ態勢を強いられることがある。とくに荷物に高さがあるときはいいが、積込が進むと荷物も減るので、腰をかがめてもち上げることになる。積込時に荷物の高さを気にしている余裕などないが、気が付けば気合で紙の束をもち上げている自分がいる。

 しかし、優しいフォークマンに当たると、パレットを重ねて高さを稼いでくれる。これには感謝しかない。

5)校門の開け閉めがかなりの重労働

 今回の配達先はすべて中学校だったが、実際に働かないとわからない苦労ポイントのナンバー1が校門の開け閉めだ。クルマを敷地内に入れるケースが多いのだが、基本的に学校の校門は閉まっている。

 そこで、校門前に到着したら、まずクルマから降りる。そして校門を開ける。クルマを敷地内に入れたらまた降りて校門を閉める。配達が終わったら、再び校門を開けてクルマを敷地外に出し、その後にまた校門を閉める。このプロセスを想像してほしい。1回の配達につき、クルマの乗降回数は8回、校門の開け閉めが4回もあるのだ。安全面の問題から校門は開けたらすぐ閉めるのがルール。そのため、クルマの乗り降りと校門の開閉作業回数が増えるのだ。

 さらに、校門自体の重さがかなりあるのも苦労ポイント。巨大な校門のなかには、かなり力を入れないと動かないものもあり、配達終盤に重いブツに出くわすと体力を一気に吸い取られる。


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