販売店は上半期末月となる9月に向けて販促
軽自動車、登録車も前年比で横ばいといえる状況なので、販売統計を見る限りは酷暑が影響を与えたかどうかはわからないが、これが受注台数ベースでは酷暑が影響しているように思われる。
販売台数が前年比で横ばいというのは、仮に8月に例年より多く販売台数の上乗せができたとしても、意図的に9月登録(軽自動車は届け出)分にまわすということもあるようだ。9月は事業年度(4月から翌年3月)締めでの上半期末月の半期決算セール月であり、事業年度末月(3月)並みの販売目標台数が設定されることになるので、8月が年間でもっとも新車販売台数が少なくなるのは、9月をにらんでの動きともいえるのである。
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本稿執筆時点では、すでにホンダが8月末よりテレビコマーシャルを放映し、積極的に動いている。ほかのメーカー系ディーラーでも、ホンダほど目立った動きがなくとも、半期決算セールは意識している。ただし、9月中の納車というものは、本稿執筆時点ではほぼ間に合わないので、半期決算セールというのを客寄せパンダとして、2025暦年締め年間目標販売台数もしくは、2025事業年度締め年間目標販売台数クリアのための販売促進活動を行ってくるので、事業年度末と並ぶ新車購入のねらい目月となっていることには変わりはないのである。
ブランド別での軽四輪車総台数では相変わらずスズキがトップとなっている。2位ダイハツとの差は5000台弱、軽四輪乗用車でもスズキがトップで2位ダイハツとの差は7000台強、軽四輪貨物ではダイハツがトップとなり、2位スズキとの差は2000台弱となっている。軽四輪総台数ベースでの2025年1月からの累計販売台数では、スズキがダイハツに6万台ほど差をつけてトップを維持している。2025年はダイハツの猛追が目立っているのだが、なかなかスズキに追いつき、抜き去ることができていない。
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定点観測している中古車販売店では、タフトをメインにダイハツの届け出済み未使用軽中古車も目立つのだが、トール、ロッキーといったダイハツ登録車の登録済み未使用中古車も目立っており、軽自動車だけではなく、ダイハツ全体で見てもまだまだ認証問題の影響が残っているようにも見える。新型ムーヴを市場投入したのだが、ムーヴだけではなく、軽自動車全体への相乗効果という面でも十分効果を発揮していないようにも見える。
スズキもハスラーメインで届け出済み未使用中古車が目立っており、スズキとダイハツのデッドヒートは酷暑が続くなか、まずは暦年締め年間販売台数競争めざして、未使用中古車流通量も含め、さらに販売競争が激化していきそうである。