大元は画像の動物園で「GAZOO」ってマジ? いまトヨタから外すことのできない「GRブランド」の「G」とは (2/2ページ)

トヨタではなく「GAZOO」でニュル24時間に初参戦

 モータースポーツの舞台に「GAZOO」の名が登場したのは2007年のことであった。すでに生産が終了したアルテッツァを使用し、ニュルブルクリンク24時間レースに「Team GAZOO」として出場した。いまでこそ自動車メーカーのワークス体制でニュルブルクリンク24時間レースに参戦しているトヨタであるが、当時社内ではレース参戦は理解されず、トヨタの名前を使用することは許されなかった。そこで豊田章男氏、もといドライバーのモリゾウが担当していた事業の「GAZOO」の名前を使うことになったのだ。

 なお、当時副社長であった豊田章男氏がそのままの名前でレースに参戦するのも社内的にはいい顔をされなかった。そのため、「モリゾウ」というレーサーネームを使うことになり今日に至るのだ。当時のニュル24時間参戦は、社内で仲のいいメンバーを集めたクラブチーム……といった様子で、その雰囲気が伝わってくるモリゾウ氏のブログ「モリゾウのドライバー挑戦記」は現在もGAZOO.comで読むことが出来る。

 この2007年のニュル24時間参戦が、今日のGRの名を冠したモータースポーツ活動やGRモデルへと続いていくスピリットとなった。いまでもGRモデルの試乗会などへ行き、「GRの変遷」といったような資料を頂くと、そのスタートは必ず2007年のニュル24時間からとなっているのが印象的だ。

 ビジネスマン「豊田章男」としても、レーシングドライバー「モリゾウ」としても、どちらのキャリアを語る上でも「GAZOO」は外すことのできない、大切にしていきたいネーミングなのだろう。

 そして、現在のトヨタの「もっといいクルマを」という思いは、Team GAZOOとしてのモータースポーツ活動から始まった。その原点だからこそ、GAZOOという名称をこだわりをもって使っているはずだ。


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西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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