この記事をまとめると
■三菱デリカミニが2代目へとフルモデルチェンジをした
■デリカミニは5つの走行モードを備え専用チューンのショックアブソーバを採用する
■特設オフロードコースでは悪路に強い三菱車らしい走破性を披露してくれた
快適装備もオフロード装備も充実の新型デリカミニ
2023年5月に登場し、マスコットである「デリ丸。」の人気にも後押しされ、三菱自動車にとって久しぶりのヒットモデルとなったデリカミニ。登場から2年しか経っておらず、最近ようやく納車されたというユーザーも多いようだが、早くもフルモデルテェンジを受けた。
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デリカミニのベースは2020年登場のeKスペース(日産ルークスと共同開発)。デリカミニの登場によりeKスペースのハイエンドモデルだったスーパーハイトワゴンのeKクロススペースは廃止され、ラインアップが整理されたが、結果としてデリカミニは、この2年で9万5000台以上を売り上げ、三菱自動車の国内販売を支える存在になっているという。
今回のフルモデルチェンジはベースのeKスペース/日産ルークスがフルモデルチェンジされるのを受け、同時に一新することで足並みを揃えることとなったわけだ。
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とはいえオフロードを強く意識したクロカン志向は健在で、デザイン的なコンセプトも引き継がれている。
細かく見てみると、特徴的だった半円のヘッドライトまわりランプデザインは、より大きくなり、ウインカー/ハザード点灯時には涙目を彷彿させる意匠となり、愛嬌ある個性的な演出を際立たせている。
フロントグリルデザインも従来のタフネスさを継承しつつ、新世代装備を上手に取り込み、逞しさを保っている。さらに、従来はやや傾斜していたフロントガラスをより立ち上がらせ、結果ルーフ全長は10cm長くなり、ルーフ幅も広がったことで室内空間が拡大。視界も大幅に拡大している。
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前後のフェンダーまわりデザインも手の込んだ造形になり、タフネスさを向上させているのだ。
この新型デリカミニをオフロードコースで試乗する機会に恵まれた。フラットダートや10%の勾配、轍路や深い穴への脱輪も試せる難コースが設定されていた。
運転席に乗り込むと、外観とは打って変わりモダンで機能的なダッシュボードとインパネデザインが印象的だ。12.3インチのGoogle機能を搭載する大型モニターを中央に備え、7インチ液晶ディスプレイのメーターパネルが横並びで設置され、視界のなかに広がる。助手席前は物置を備えた2トーンのシックなデザインで、電気自動車「日産サクラ」で好評だったデザインセンスを取り入れているようだ。
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ダッシュボードには、さらにシフトレバーとエアコンなどの操作パネルがあるが、そこでひときわ存在感を放っているのが、ダイヤル式のドライブモードセレクターだ。アウトランダーPHEVなど、ハイエンドクラスの装備として知られる多機能のダイヤルスイッチが、軽自動車に装備されるのはデリカミニだけ。
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その機能は、デフォルトの「ノーマル」を中心に「ECO」「POWER」「GRAVEL」「SNOW」と5つのモードを選択でき、エンジンレスポンスやCVTシフトマップ、ASC、トラクションコントロール、ブレーキLSD、EPS(電動パワーステアリング)などを最適制御してくれる。さらに、ヒルディセント機能、電動パーキングブレーキなど、これらのスペックを知るだけでデリカミニの実力の進化レベルが伺い知れるのだ。