この記事をまとめると
■スズキ・スイフトが世界累計販売1000万台を達成した
■初代スイフトは一部改良時にCVTを追加したことで注目を浴びるようになった
■世界累計1000万台の内6割以上をインド市場で販売した
いまやスズキを代表する世界的なモデルとなったスイフト
スズキは2025年9月4日に、同社のコンパクトハッチバック車となるスイフトが、世界累計販売1000万台を達成したことをリリース発信した。なお、この累計1000万台については、海外ではイグニスの車名で販売され、日本での初代スイフトともいえるHT型はカウントされておらず、スイフトスポーツ、スイフトベースの4ドアセダンのディザイアを加えて1000万台になっているとのことである。
今回の累計1000万台とカウントされるモデルのなかでの初代スイフトは、2004年11月に発表されている。「スポーティなデザインと走行性能の新型コンパクトカー」とリリースには見出しが入り、リリース本文内には「世界戦略車」とも書かれている。デビュー時のリリースでは、生産を日本のみならずハンガリー、インド、中国の計4カ国で行うとも記されていた。
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初代デビュー当時は1.3リッターと1.5リッターエンジンに5速MTと4速ATが組み合わされ、2WDと4WDが用意されていた。
初代が俄然注目されるようになったのは、2007年5月の一部改良実施後となるだろう。この一部改良時に新開発1.2リッターエンジンにCVT(自動副変速機)を搭載する仕様が追加設定された。この新開発1.2リッターエンジンとCVTの組み合わせは、一部改良実施発表と同時に話題を集めた。筆者も撮影及び試乗のためメーカーから当該車両を借り、都内から高速道路を利用して東京隣接県の自宅まで車両保管のため往復したのだが、新開発エンジンとCVTの組み合わせについて非常にうまくできていると感じたのを覚えている。
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当時はまだCVT自体が普及半ばのトランスミッションであり、それまでのステップATに慣れていた自分としては、いきなりアクセルを踏むと高回転までエンジンがまわる独特のフィーリングに違和感を覚えたのだが、副変速機付きCVTは、ラバーバンドフィールともいわれる、CVTのいやなクセを強く感じさせず、さらに加速も非常にスムースで気もちよかったのを覚えている。
この1.2リッター&CVTの登場によって、2代目が登場するときも、その期待値はかなり上がっていた。軽量プラットフォームに刷新した2代目は2010年にデビュー、エンジンを新開発VVT採用タイプとし、副変速機付きCVTが全グレードで組み合わされた(4WDも含む)。期待を裏切らない基本性能のブラッシュアップが行われ、スイフトは「知るひとぞ知る」といったような、クルマ好きが一目置く存在となっていった。
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2011年には欧州仕様の足まわりを再現した特別仕様車「RS」を発表、そして同年11月には、初代スイフトスポーツがデビューした。
2016年にデビューした3代目は、海外仕様が3ナンバーワイドボディを採用するなか、国内仕様が5ナンバーサイズを堅持したことが話題となった。2023年にデビューした現行4代目でも、海外仕様は3ナンバーワイドボディなのに対し、国内仕様は5ナンバーサイズのままとなっている。