タイヤ無交換作戦でラスト30分のスプリントレースに挑む
レース再開後、BRZ GT300はピットに戻り山内から井口へとドライバーチェンジを行います。
BRZ GT300のピットインはタイヤ4本交換と給油が基本です。ライバルがたまに行うタイヤ無交換作戦を、BRZで行ったことはありません。2本交換はしたことがありますが車両のバランスが崩れてしまい思うように結果を残せていないため、4本交換が基本です。
しかし今回は、なんとタイヤ無交換作戦を実行します。それだけダンロップの新タイヤがロングランも行ける判断したのかもしれません。SUGOの路面はタイヤへの攻撃性が高いのですが、コース長が短いため、残り時間と周回数を考えればこのままでも行けると判断した模様です。
ピット作業のようす画像はこちら
井口は給油をしただけでコースに戻りますが、不幸なことに右リヤタイヤが脱落しそうになります。
井口はピットに戻りますが簡単には治らず、ピット内で時間を要して修復し、その後タイヤを付け直してコースに復帰しますが、残りわずか5分程度ではなすすべもなく、22位という順位でチェッカーを受けました。
手押しでピットに入るスバルBRZ GT300画像はこちら
レース後、小澤監督によれば、「1時間程度レースが止まったことでホイールが冷めてナットの緊張度が少し緩んだのかもしれません。さらにその後、ドライバー交代して走り出したときにホイールスピンさせたことでナットが緩んだのかもしれません。いままで経験したことがなかったので、冷めた際は再度ホイールの締め付けをしたことがいいという経験にも繋がりました」と、かつてない事態だったことを語ってくれました。
井口選手は、「ほとんど走れずピットアウト後にもタイヤが外れてしまいそうになりました。走ったフィーリングは悪くなかっただけにトラブルは残念ですけど、メカニックさんがしっかり直してくれたことに感謝したいです。今回、結果は悪いのですが、悪いなりにデータはいろいろ取れたので今後に活きていくと思います。次戦はオートポリス。タイヤへの攻撃性も高いサーキットでどう戦ってくのか、その意味でもデータが重要になってくるので、データが取れたことはよかったと思います。諦めずに戦っていくことがスバルチームのよさなので、今後もチャレンジしていきたい」とコメントします。
井口卓人選手画像はこちら
スタートからロングランを担当した山内選手は、「新しいタイヤはキャラクター的にマシンとのマッチングがどうかなと思う部分もありましたが、フィーリングは悪くなかったです。改善点も見えてきたので次のレースに向けてどう活かすのかを考えていかないといけません。次戦は井口さんの地元であるオートポリスです。表彰台には過去に何度か立てていますが、じつは勝ったことはない。いつも井口さんを全力でサポートしますといいながら結果が出せていないので、次こそはと思っています」と、今回の結果を踏まえて次戦への思いを語ってくれました。
小澤監督と山内選手画像はこちら
練習走行からいまひとつ噛み合わないままレースを進めた今回のSUGO戦。新しいタイヤがこのままオートポリスにも対応するのかは、コースの長さもレースの距離も違いますので不明です。
しかし、タイヤ無交換を行えるほどの実力をもっていることもわかりましたし、レースラップはほかのライバルマシンと比較してもなにひとつ遜色はありませんでした。
「練習走行からひとつずつしっかり組み立ててレースに挑んでいきたい」という井口選手が語る通り、次のレースに期待したいところです。