操舵輪の切れ角はドリ車並! 2本のレバーは何を動かす? フォークリフトの動かし方をベテランオペレーターに聞いてみた (2/2ページ)

独自の装備もあれば普通車と同様のものもある

 さて、車体の移動とフォークの操作を説明したところで気になる装備もあったので見ていこう。

 まず、ハンドルの少し下に付いているのが緊急停止ボタン。ご想像のとおり、万が一のときに押せばすべての機能を停止させることができる。

 次はサイドブレーキ。これも乗用車と同じようにレバーを引けば車体を固定しておくことができる。

 あまり目立たないが、フォークリフトにもあるんだ! という代表格がシートベルト。ちなみに現在の日本の法令では、フォークリフトのシートベルト着用は明確に義務付けられていないが、荷崩れや転倒時のことを考えるとシートベルトは装着すべきだ。そのため多くの労働局や安全機関がシートベルト着用を強く推奨しており、企業に対してもシートベルト着用の徹底を促す指導が行われている。

 最後に、謎だったのがこのスイッチだ。その名も「イチギメクン」。読み進める前に少しその正体を考えてみてほしい。

 じつはこのイチギメクン、漢字にすると「位置決め君」といったところか。これはフォークが地面に対して水平であることを教えてくれる、非常に重要かつ便利な装置なのだ。マスト部分に取り付けられた小さな箱状のパーツで、そこに赤いランプが埋め込まれている。イチグメクンのスイッチをONにしておくと、ツメが水平になったときだけ赤くランプが光って教えてくれるという仕組みだ。

 パレット上の荷物は思った以上に滑りやすく、わずかなツメの傾きでも滑り落ちてしまうこともある。そこで荷物の落下防止に役立つのがこの機能というわけだ。

 最後にフォークリフトのツメを最大限に上昇させてもらったのだが、想像以上に高い場所の荷物を上げ降ろしできることが実感できた。こんな姿を見る機会はそうそうないが、やはりフォークリフトは偉大な車両なのだ!

 取材・撮影協力:(株)ロジ・テック トーシン


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