新ソルテラは雨の群サイをWRXよりも速いタイムで駆け抜ける
次にAWDモデルを試す。システム出力252kWとなったことで、そこらのスポーツカーよりはるかにトルクフルで強力な動力性能を手に入れたことになる。スタートダッシュを試みると、前輪が若干のスリップを起こしてタイヤのスキール音が聞こえるが、間髪を入れず強烈な加速Gが発生し、車速を一気に高めていく。
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それはAWDのBEVであることを思えば標準的かもしれないが、一般的なガソリンエンジンのスポーツカーを置き去りにするには十分以上の加速感だった。最高速度は160km/hに設定されているそうだが、今回は公道を想定して120km/hまでしか試さなかった。
それでもコーナーへのアプローチではAWDらしい後輪の接地性と4輪がバランスよく回生し、減速Gをコントロールできる安定感で、コーナリングスピードは驚くほど速い。静かな室内でエンジン音もないのでグリップ限界を探るのは難しいが、電子制御に頼れるので不安がない。走行中にゲリラ豪雨に見舞われたが、それでも安定感は保たれ、「雨の群サイ」と恐れられるコースを難なく走破できてしまった。
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足まわりの接地性、乗り心地のよさはFF同様で、重厚なハンドリングがAWDらしさといえる。
ちなみに試乗後にスバルの契約ラリードライバーである新井敏弘選手が新型ソルテラAWDとスバルWRXでタイムアタックを敢行したが、ウエットではソルテラが1秒早かったのは驚きだ。ドライではWRXが2秒ほど速いらしいが、それでもBEVであることを考えれば相当に速い。
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ソルテラはスポーツカーではないので、クローズドコースでの速さは大きな課題ではないが、運転のしやすさ、安定感、質感の高さでWRXを凌いでいたはず。
そして、WLTCの航続距離もFFで746km、AWDで622kmと伸び、スバル独自の充電インフラも準備が進んでいるという。
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フォレスターなどのストロングHVはもちろんだが、BEVのソルテラが完成度を高めたことで、今後スバルを選択するユーザーは大幅に増えそうだ。スバルは熱烈なスバリストだけのものではなくなるだろう。
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