基本と黒かシルバーだけ! クルマの純正ホイールにカラフルなものがない理由

この記事をまとめると

■クルマの純正ホイールはアルミもスチールもシルバーやブラックが主流だ

■技術的には多彩な色が可能だが需要や発注効率の問題が壁となる

■趣味性の高いカラーホイールは少量生産を避けるためにも設定が難しい

カラードホイールがアフターマーケットにしか存在しないワケ

 標準装着やメーカーオプションによる、いわゆる純正ホイールは、アルミ、スチールともに色彩が限られる。アルミホイールはシルバーか、ペイントされていてもブラックだ。切削加工を施して、シルバーとブラックの2トーンになるタイプもある。

 スチールホイールは、シルバーなどのホイールキャップを装着することが多い。ユニークな車種はスズキハスラーだ。ベーシックなGとGターボは、スチールホイールにホイールキャップを装着せず、ペイントしている。

 そのスチールホイールの色彩はガンメタリックが多いが、ボディカラーが2トーンカラーになる場合はホワイトにペイントされていることもある。たとえばルーフがベージュ、下側は明るいブルーの2トーンボディカラーを選択すると、ホワイトのスチールホイールが装着されてオシャレな雰囲気だ。

 また、ホンダは以前のシビックタイプRやNSX-Rなどに、ホワイトのアルミホイールを採用していた。汎用品であれば、いまでもブルー、グリーン、レッドなどのアルミホイールがある。以上のように、アルミ/スチールホイールともに、技術的には色彩の種類を豊富に用意できる。しかしボディカラーとの色彩バランスが難しく、開発しても需要が乏しいとムダになってしまう。

 とくに現在は効率化を図るため、販売会社がメーカーに対して、大量に売れそうな仕様をあらかじめ多く発注しておく。このような見込み発注が多い場合、売れ筋から外れた商品は納期が長引くことが多い。そうなると、趣味性の強い個性的な色彩は、ホイールに限らずますます売れなくなってしまう。少量生産を避けることも、カラードアルミホイールが用意されにくい理由のひとつだ。


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渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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