この記事をまとめると
■日産はかつて数多くのセダンをラインアップしていた
■高級セダンシリーズとして「セドリック」と「グロリア」が設定されていた
■元々は別モデルであったがプリンス自動車と日産自動車が合併した際に兄弟車になった
日産を代表するセダンだったセドグロとは
いまではすっかり不人気ジャンルとなってしまい、各メーカーともラインアップされる台数が減る一方となっているセダンタイプのモデルたち。それは日産も例外ではなく、気付けばスカイラインを残すのみとなっている。
そんな日産のセダンといえば、エントリーモデルのサニーから始まり、ブルーバード、ローレル、セフィーロ、シーマにプレジデントと多くのモデルが存在していたが、そのなかでも高い知名度を誇っていたのが「セドグロ」と呼ばれる高級セダンだろう。
430セドリック画像はこちら
このセドグロとはセドリックとグロリアの2車種をまとめて総称したもので、2004年に終売となるまで長らく兄弟車関係となっていたのである。
セドリックは当時の日産モーター系販売店、グロリアはプリンス系販売店で取り扱っており、基本的なメカニズムを共有していたが、最終型となったY34型のみ、セドリックがフォーマル、グロリアがスポーティとキャラクター分けがなされていた(ただしメカニズムは最終型も共有)。
日産グロリア(Y34)画像はこちら
そんなセドグロが兄弟車となったのは1971年に登場した230系と呼ばれるモデルからだったのだが、じつはそれ以前はまったく別の車種として、セドリックは2世代、グロリアは3世代に渡って専用モデルが存在していたのである。
というのも、セドリックは1960年に日産のフルサイズセダンとして登場した一方、グロリアは1959年にプリンス自動車工業がスカイラインをベースに高級化をしてリリースしたモデルとなっており、デビュー時は異なるメーカーの車種だったのだ。
日産グロリア(3代目)画像はこちら
ただ、1966年に日産自動車とプリンス自動車工業が合併したことで、合併以前から開発が進んでいた2代目セドリック(1965年登場)と3代目グロリア(1967年登場)までは異なる車両となっていた。しかし、前述したように1971年に登場した230系からは兄弟車関係となったというワケなのである。
日産セドリック(230)画像はこちら
その後、セドリックは10代目、グロリアは11代目まで兄弟車関係が続き、2004年に登場したフーガにバトンタッチをしてその役目を終えている。
ただし、もともと法人ユーザーの多かったセドリックに用意されていた7代目のY31型をベースにした「セドリック営業車」は、タクシーやハイヤーのベース車として愛され続け、歩行者保護の法規制に対応するためにボンネットやフェンダーの形状の変更を含む大がかりな改良などを行いながら2014年末まで販売が続けられた。
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そのため、現在でも比較的街なかで見かけるチャンスのあるモデルとなっているのだ。