これぞ究極のロードスター!
次に、12Rについては吸気ポート形状の変更と、匠エンジニアの手作業による吸気ポート内側研磨により吸入空気量を増加させ、出力とレスポンスを改善。フレッシュエアダクトを大型化し、カム形状も変更している。後者にはS耐でのデータも反映されている。さらに、エキゾーストマニホールドを藤壺技研工業と共同開発して、従来の4→2→1から4→1排気へと変更。
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4本のパイプの長さを統一して径を拡大するとともに、耐久性や遮熱・防音性能を省スペースで実現するために、ガラス繊維のバンテージとステンレスメッシュを採用している。また、駆動系でもダイレクトなトルク伝達と高負荷使用での耐久性を重視して、デュアルマスフライホイールからシングルマスフライホイールに変更している。
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酷暑下でのサーキット走行のようなハードユースを想定した対策としては、標準車を含めてラジエター容量をまず大型化。トランスミッションのメインドライブギヤに固体被膜潤滑剤を塗布しているそう。そして、12Rではサーモスタット開弁タイミング(冷却開始タイミング)も早期化。S耐参戦車と同じ低抵抗のピストンとピストンリングを採用し、ピストンリングには低摩擦係数と高い硬度を併せ持つ DLC(ダイアモンド・ライク・カーボン)被膜を施している。
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もちろん、走りの舞台はサーキットだけに限らない。意のままに操る気持ちよさを提供するために、専用チューニングを施したサスペンションとビルシュタイン製ダンパーを採用。ストラットタワーバーも標準装備としている(標準車はスチール、12Rはアルミ製)。さらに、12Rには熟練工による高精度なサスペンションアームの締め付けと、ホイールアライメント調整を実施しているとのこと。
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インテリアはブラック基調で、シートベルト/ステアリングトップマーク/ステッチ/シートパイピングに刺激的な赤いアクセントを施している。アルカンターラ素材をハンドル/シフトノブ/パーキングシフトレバーの3つの操作系に使ってドライバーの正確な操作をサポート。同素材をインパネやドアトリムなどにも採用し、レース車両のようなスパルタンなムードと上質さを表現。
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標準車はアルカンターラ素材のセミバケットシートで機能と質感を両立し、ヘッドレスト部にブランドロゴをエンボス加工している。
一方で12Rにはレカロ社と共同開発したフルバケット2座を奢っている。同社独自のカムイ素材の専用形状で、快適性と操作性を両立している。さらに、12Rのタコメーターには、200馬力を発揮する回転数に「▲」表示を追加している。
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エクステリアにも見どころは多い。まずアピールするのがメッシュタイプのデザインを採用し、「MAZDA SPIRIT RACING」のエンブレムを施したフロントグリルだろう。エアロパーツの開発に際してはドイツのニュルブルクリンクサーキットまで遠征。とくに走行安定性を追求して独特な形状となったリヤスポイラーは注目だ。
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専用の鍛造アルミホイールは名門レイズと共同開発。S耐参戦車が使用している「TE37」をベースに剛性を高めて形状を最適化。エンブレムをホイールセンターキャップに、外周にブランドネームをあしらった専用デザインとなっている。
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さらに、12Rにはレーシーな専用デカールを設定。エンジンヘッドカバーには手塗りの結晶塗装を施して、シリアルナンバープレートもここに配置されている。
ここまでスペシャルに仕上げられたスペシャルなロードスター。価格はMAZDA SPIRIT RACINGロードスターが526万5700円から。12Rが761万2000円となる。前者は2200台の限定販売で全国のマツダディーラーにて申し込みが可能。ただし、先着順での販売なので要注意! 後者は「倶楽部 MAZDA SPIRIT RACINGアプリ」のみで受け付けで、受注数次第では抽選となる予定だ。
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なお今回、あえて“非純正”と断った上で用意されたアフターパーツには、「MAZDA SPIRIT RACING SPORTS PACKAGE」というニックネームも用意された。基本的にはサーキットでのスポーツ走行に適した仕様を求めるお客さまに向けた推奨アイテムだ。
まずは低回転から高回転での音色変化にこだわった藤壺技研工業のチタン製スポーツマフラー。タイヤは横浜ゴムのADVAN NEOVA AD09。ブレンボジャパンのブレーキはスリットロータとスポーツパッドのセット。OS技研のLSD&専用オイル。
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SabeltとMAZDA SPIRIT RACINGのダブルブランドによるハーネス(4点式または6点式)という豪華なアイテムが並んでいる。
また、12Rに標準装備のレカロ製フルバケットシートとサイドアダプタを標準車でも追加できる。
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最後に、このMAZDA SPIRIT RACING ROADSTERを手に入れたオーナーは、12月に実施決定の体験イベント「MAZDA SPIRIT RACING OWNER’S RECEPTION」の参加資格を得ることができるそう。
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その後もマツダとのつながりを深めるため、各種イベントを「MAZDA SPIRIT RACING EXPERIENCE」として継続的に実施することを予定しているという。詳しくは専用サイトを参照していただきたい。