最後の空冷911を怪物化！　世界で26人だけが味わえるギュンター・ヴェルクスが作った「F26」はポルシェファンを陶酔させること確実 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ポルシェ911において933型は最後の空冷モデルとして人気が高い

■アメリカのギュンター・ヴェルクスは空冷ポルシェのレストモッドを得意とする

■最新作のF26は1000馬力を超えるモンスタースペックだ

アメリカ発のギュンター・ヴェルクスが手掛けるポルシェ

　ポルシェ911のファンにとって、初代の901型から数えて第4世代にあたる993型は、やはり特別な存在といえるのではないだろうか。

　1993年から1997年まで生産されたこの993型は、ポルシェがそれまで伝統としてきた空冷式の水平対向6気筒エンジンを搭載する最後の911。それに注がれる視線はこれからも熱くあり続けるだろう。

　アメリカのカリフォルニア州ハンティントンビーチに本社を構えるギュンター・ヴェルクスは、この993型911をベースに、最新の技術を用いてそれをレストモッドするスペシャリストだ。レストモッドとは復元を意味するレストアと、さらなる改善を施すモディファイという言葉から作られた造語だが、これはすでに自動車、とりわけクラシックカーの世界では一般的なものになった。

　レストモッドの素材として選ばれるモデルは多彩だが、そのなかでもっとも多いのは、やはりポルシェ911。それは911がそもそももつスポーツカーとしての魅力と、すでに60年を超えた長い伝統が大きな理由となっているのだろう。

　ギュンター・ヴェルクスはこれまで、「クーペ」、「スピードスター」、「ターボ」、「GWR」といったモデルをリリースしてきたが、それらはいずれも993型911のシルエットを継承しつつも、エアロダイナミクスをさらに改善。同時にボディ素材の多くを軽量なカーボンファイバー製とするなど、軽量化にも積極的な取り組みを見せたモデルだった。

　リヤのエンジンももちろんスペシャルな仕様で、クーペとスピードスターの両モデルには最高出力が430馬力プラスと発表された4リッターの水平対向6気筒を、ターボには700馬力プラスの4リッター水平対向6気筒ツインターボを、そしてGWRにはギュンター・ヴェルクスとロススポート・レーシング社との共同開発によるDOHCヘッドをもつ4リッター水平対向6気筒が500馬力プラスで搭載された。ミッションは全車ゲトラグによる専用開発の6速MT。駆動方式はもちろんRWDだ。