ド派手な見た目に相応しいポテンシャル
そのギュンター・ヴェルクスから先日、さらに過激なレストモッド911が産み出された。「F26」とネーミングされたモデルがそれで、まず印象的なのはそのダイナミックなエクステリアデザインだ。スムースにスラントしたノーズはあの935からインスピレーションを得たものとされ、ほかにもアグレッシブな前後フェンダーの造形や、大型のリヤウイングが装着されたことで、これまでのモデルとは異なる、じつにスパルタンなアピアランスが生み出されているのがわかる。
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もちろんエアロダイナミクスも優秀だ。ボディパネルの多くにカーボンファイバーを使用していることも変わらない。その結果、ドライウエイトは1225kgに抑えられることになった。
パワーユニットはGWRと同様にロススポートと共同開発された4リッターの水平対向6気筒ツインターボ。最高出力と最大トルクは、それぞれ1000馬力・1017Nmと発表されている。これに6速MTを組み合わせ、後輪を駆動させることも変わらない。
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サスペンションももちろんF26のために特別にチューニングされている。フロントには新設計のダブルウイッシュボーンサスペンションが採用され、ダンパーはJRZ製のアジャスタブルタイプを装備。モータースポーツグレードのABSやトラクションコントロール機構を備えているのも特徴だ。
また、このF26では、ベースの993型911からホイールベースが30mm延長され、それによってエンジンの搭載位置がより車体中央に近づき、前後重量配分が最適化されることになった。
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タイヤはフロントが295/30R18、リヤが335/30R18サイズのコンチネンタル製エクストリーム・コンタクト・フォース。ホイールはマグネシウム製のモノブロックとなっている。
ギュンター・ヴェルクスがもつ高いクラフトマンシップは、インテリアのフィニッシュにも表れている。カーボンファーバーやカスタムレザー、そしてアルカンターラを使い分けたインテリアトリムの仕上がりは、カスタマーを十分に満足させるに違いない。そして、あえてウッド製とされたシフトノブはポルシェのレースカーの歴史に詳しいファンには特別な感情を抱かせるものであるだろう。
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クラシックなポルシェのラジオにはAppleのCarPlay機能も統合されており、ここには伝統と現代の利便性の両立を感じることができる。
ギュンター・ヴェルクスは、このF26を26台の限定車として販売する予定だが、その価格は正式には発表されていない。興味のある方は直接お問い合わせを。
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