この記事をまとめると
■ロードサービス出動の常連「バッテリー上がり」は劣化や電装品消耗が主因
■ジャンプスターターはリチウム電池式とキャパシター式の2タイプが主流に
■安全性・用途・充電方法に特徴があるが今後は常備装備として普及が進むだろう
ロードサービスでの使用も定着しつつあるジャンプスターター
JAFなどといったロードサービスに対する出動要請で、もっとも多い部類に入るもののひとつにバッテリー上がりがある。その原因は複数あるが、大別すると電装品のつけっぱなしなどによる電力消耗と、バッテリー本体の劣化にわけられよう。
前者の場合はバッテリーに問題があるわけではないので、充電をすれば多くは再び使用することができる。しかし、後者の場合はバッテリーが寿命を迎えたと考えられるので、交換する必要性が高いといえよう。
30年ほど前までのバッテリーは劣化が少しずつ進んだので、エンジンのかかりが悪くなるなどといった兆候が見られた。そのため、交換時期がある程度予測できたのだ。しかし、近年の高性能なバッテリーは寿命ぎりぎりまで元気に働き、ある日突然エンジンがかからなくなるなどということも少なくない。兆候がほとんど見られないので、交換時期の判断が難しいのだ。
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AC100Vを使用するバッテリー充電器のなかには、直接エンジンを始動する機能のついたものもある。しかし、そもそもクルマの近くにAC100V電源があることが非常に少ない。結局、バッテリーを交換するか外して充電するか、あるいはほかのクルマから電気を引くかロードサービスを呼ぶかというのが一般的な対処法になる。
以前、ロードサービスを呼んだ際には予備バッテリーなどから電気を引いていたが、現在はジャンプスターターを使用していることが多いようだ。これには大別して2種類があり、そのひとつはリチウムイオン電池を使用したものである。これはモバイルバッテリーに近く、それにエンジンをスタートするセルモーターをまわすための機能が付加されているようなものである。
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これには、24V車で排気量1万7000ccにも対応する大型のものから、スマホ用と見まがうコンパクトなものまである。小さくても12V車なら排気量4000cc程度、24V車なら排気量3000cc程度まで対応が可能なタイプがあるので、使用車両に合わせて選べばよい。小型のものなら工具と同様にクルマに積んでおくと心強いが、リチウム電池式のものは発火などの危険もあるので注意が必要だ。
リチウム電池式以外で最近注目を集めているのは、キャパシター式のタイプである。キャパシターはコンデンサーの一種で、本体にはそれほど電気を貯めておくことはできないが、弱っているバッテリーなどから電気を回収して増幅することができる。エンジンスタートに特化して使用するなら、少々高額だが使用時に短時間充電をすれば済むことに加えて、熱暴走をしないなど安全性が高く、耐久性・寿命性に優れているので選択肢として有効だ。
キャパシター式のジャンプスターター画像はこちら
リチウム電池式は予め電気を大量に充電しておく必要があるものの、その電気をスマホの充電やほかの電気機器に使用することができる。要するに、非常用の蓄電池的な機能をもたせることができるのだ。それぞれ特徴があるので、用途を考えて選択すればよいだろう。このように、ジャンプスターターは利便性の高いグッズなので、今後は車両の常備品として定着するのではないだろうか。