この記事をまとめると
■特別仕様車は上級グレードの装備を装備した「お買い得」モデルであることが多い
■スバルに設定される特別仕様車は装備ではなくデザインなどを特別な仕様とした
■インプレッサとクロストレックにスタイルエディションが用意されている
スバルの特別仕様車はお買い得感高し
「特別仕様車」という言葉を最初に聞いたときは「一体どんなクルマなんだ!?」と思った。「特別な仕様」だから、エンジンや足まわり、内装などをユーザーの好みに合わせてオーダーメイドで作製されるとか?
ところが実際の特別仕様車は、昔も今もあまり変わらず「特別な仕様」とはかなり異なる。上級グレードに装着される装備の一部を中級グレードに割安に装着して「お買い得な特別仕様車」と宣伝するパターンが多い。
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たとえば、上級グレードに標準装着されるヘッドアップディスプレイやアルミホイールなど、20万円相当の装備を中級グレードに加えて、価格の上乗せを10万円に抑えるような商品開発だ。発売から数年を経過して、売れ行きが下がってきたころに設定されることが多い。従って、このような「お買い得」な特別仕様車の設定から、人気の動向も判断できる。
これらの特別仕様車は、実際には割安な追加グレード、あるいはセットオプション装着車に近い。ユーザーも特別な仕様とは考えず、ほしい装備が割安な価格で装着されるから購入している。
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ところが最近は、オーダーメイドとまではいかないが、グレードとは異なる特徴を備えた特別仕様車も登場している。
とくにスバル車は、中級グレードでもセットオプションが充実している。上級グレードに標準装着される装備の多くをオプションで加えることが可能だ。そうなると、上級グレードの人気装備を割安に装着する特別仕様車は成立しにくい。もともとオプションによって装着できるためだ。
そこで、2025年7月に行われたマイナーチェンジのタイミングで、インプレッサに設定されたスタイルエディションを設定した。なお、ベースモデルは、先進安全装備の内容が見直され、より安全性が高まったほか、新色のシトロンイエローパールを設定する。
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スタイルエディションにはブラックを基調とした内外装とした上で、シートやステアリングのステッチをレッドとし、スポーティな雰囲気を演出。加飾やユーティリティ面も、ベースモデルには標準で設定がない内容としお得感を高めた。価格は4WDのST-Hスタイルエディションで、351万4500円となる。
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インプレッサと同じタイミングで登場した、クロストレックリミテッドスタイルエディションは、リミテッドをベースに、各部の色彩を専用色に変更している。アルミホイールは切削加工を施さないダークメタリックで、ミラーやルーフレールもブラックだから精悍な印象だ。
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その一方で、フォグランプの周囲の装飾は専用のイエローに変わり、効果的なアクセントとしている。内装でも部分的にイエローが使われ、アクティブな印象に仕上げた。なお、クロストレックには新色として、インプレッサと同じシトロンイエロー・パールと、クロストレックのみとなる、サンドデューン・パールが設定されている。
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リミテッドスタイルエディションの価格は、4WDが356万9500円だから、リミテッドに比べて12万1000円高い。装備は追加されないため、実用重視のユーザーには魅力が乏しいが、内外装の色彩が気に入ったのであればほかのグレードとは異なる独自の選択肢になる。ファッション性を重視するユーザーは、装備の追加装着とは異なる特別仕様車を探してみるといいだろう。