脅威のパワーを発揮するV8ツインターボ
ボンネットをオープンすると、まず目に飛び込んでくるのは、やはりカーボンファイバーで成型された鮮やかなレットのエンジンカバーだが、その下にはベースの4リッターから4.5リッターへと排気量拡大されたV型8気筒ツインターボエンジンが搭載されている。これはボア、ストロークともに83×92mmから84×100mmへと変更したもので、したがってエンジン内部の構成部品はそのほとんどが新設計されることになった。
バンク中央にレイアウトされる2基のターボもブラバスによるスペシャルで、最高出力は796馬力、最大トルクは電子制御により1050N・mに抑えられている。組み合わせられるミッションは、ベース車両と同様にスピードシフトMCTの9速スポーツトランスミッション。リヤには電動モジュールが採用されており、こちらは2速ミッションとの組み合わせで204馬力を発揮する。すなわち駆動方式は4WDということになるわけだ。
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このシステム全体で1000馬力を発揮するパワーユニットが一体となり、ブラバス1000は世界最強クラスに位置するスーパーカーとしての走りを実現した。0-100km/h加速は2.6秒。9.5秒後には200km/hに達し、23.6秒後には300km/hの壁を突破する。最高速はリミッターにより320km/hに制限されるが、その走りがいかに刺激的であるのかは、これらのデータからも容易に想像できるだろう。
76mm径のクワッドテールパイプから奏でられるサウンドもまた魅力的だ。アクティブバルブのスイッチ操作ひとつで、洗練された囁きから一切の遠慮のないV型8気筒エンジンの咆哮まで、ドライバーは好みの音量を味わえる。
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ブラバス1000のサスペンションには、車高調節が可能な専用のスポーツスプリングが装備されている。車高は最大で20mmローダウンさせることができ、それによって重心を低下させ、またエアロダイナミクスを改善する。ホイールはフロントに21インチ、リヤに22インチのブラバス製「モノブロックZ」を採用。
最先端のCNC加工と軽量鍛造技術で成型された特徴的な10スポークデザインのホイールには、コンチネンタル製、もしくはハンコック製のタイヤが装着されるが、サイズはいずれも305/30ZR21、335/25ZR22の設定となる。
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インテリアのフィニッシュも、さすがはブラバスの仕事といった印象だ。全面に張り込まれた最高級のブラックレザーや、シートとドアパネル内にブラバスの象徴的なシェルパターンをキルティングとパーフォレーションで施す手法。シートのサイドサポートなどには、ブラバスの創業年である1977年を表す77のパターンもエンボス加工されている。
さまざまなパートのアクセントにブラバスのシグネチャーカラーであるロケットレッドを使用し、スポーティな雰囲気を醸し出しているのも見逃せない演出だ。
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ブラバス1000は、今後カスタマーのリクエストに応じて受注生産されるというが、それはすなわち完全なオーダーメイドモデルであることを意味している。ブラバス車の頂点を極めたともいえるこの1000の誕生に、はたしてどれだけのスーパーリッチがレスポンスを示すだろうか。