来年のシーズンもさらに盛り上がる見込み
藤田直人選手の「ブリッドテインレプソル☆ヤリス」もD1クラスではユニークな1台で、「当初、SC仕様車として開発したんですけど、レギュレーション的に二輪駆動モデルのボディに同一メーカーのエンジンを載せなきゃいけなかったので、このクルマも1500ccのNAエンジンを搭載したFFのヤリスに、4WDのGRヤリスに搭載されている1600ccターボエンジンを積みました」と藤田選手は語る。
当然、面倒な作業だったようだが、「ラリー競技で使用されているGRヤリスRally2と同じように、10mmぐらいエンジンの搭載位置を後方にオフセットできました」と、メリットもあったようだ。
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さらに、2025年のD1クラスに合わせて「ヘッドライトなどの灯火類を外したほか、サイドウインドウの材質もポリカーボネイトにして軽量化を行いました。あとはリヤバンパーを切ったり、同時にマフラーもセンター出しにしました」と藤田選手が語るように、さまざまなアップデートを実施。
気になるフィーリングについては、「トラクションがありますね。パワーがありすぎて、ホイールスピンをするのでアクセルを緩めないといけないですが、楽しいクルマです」とのこと。
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マシンのポイントについては「令和改造車」で、藤田選手によれば「二輪駆動の改造車といえば平成初期の古いクルマが多いので、最近のクルマで競技をしたいなぁ……と思っていました。それにD1クラスなら改造範囲が広いことから、気合と根性とお金があれば最近のクルマでも、安全面だけきっちりやっておけば、自由に競技車両を作ることができるので、ヤリスでマシンを作りました」とのこと。
残念ながら最終戦のタカタは12位に終わったが、令和の車両でD1クラスに挑む藤田選手のチャレンジは来季も続くだろう。
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このようにD1クラスには個性的なマシンが集結しているが、2026年にはミッドシップレイアウトのGR86など話題のニューマシンが参戦する予定となっているだけに、今後も2WDの魔改造モデルに注目したい。
なお、全日本ダートトライアル選手権の最終戦となるタカタラウンドでは、EJ20搭載のMR-S「DL☆ラブカ☆テインMRS」を駆るパッション崎山選手が2位につけ、D1クラスの初代シリーズチャンピオンを獲得。筑波タイムアタック仕様のスイフト「LAILE☆カヤバYHスイフト」を駆る志村雅紀選手が5位入賞を果たすなど、魔改造モデルが活躍している。