まさかのルックスで機密扱い!? ブガッティ・ヴェイロンの「初期コンセプト」が「本気ですか?」感満点の見た目だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

ブガッティ・ヴェイロンは1998年にフォルクスワーゲンが権利を買い取って実現した

■ブガッティが機密扱いにしていたコンセプトカーが10年の時を経て日の目を見た

■デザインはVW全体のデザイン責任者ウォルター・デ・シルバ氏によるものだった

ブガッティの新たな門出と難航したスタイリング案

 コンセプトカーは夢や未来を語りかけてくると相場が決まっているもの。ですが、なかには実車とはかけ離れすぎて、夢は夢でも悪夢に近いなんてケースもあるようです。最近になって発表されたブガッティ・ヴェイロンのごく初期に作られたコンセプトカーもまた、そんな奇妙なニュアンス漂う逸品。違和感たっぷりなスタイルながら、のちに引き継がれるDNAを読み解くのも一興。長く隠されていた理由もわかるような気がします。

 ブガッティ・ヴェイロンは、ご存じのとおり1998年にロマーノ・アルティオリ(正確には彼の資産管理会社)からフォルクスワーゲンが権利を買い取ったことで実現したスーパーカー。ちなみに、アルティオリ側からフォルクスワーゲンのピエヒ会長にアプローチがあったと噂されており、日本の新幹線のなかで思いついたというW16エンジンを載せるのにもってこいだと、ふたつ返事で買い取ったのだとか。

 市販バージョンのヴェイロンは、それから7年後、2005年にようやく発売にこぎつけています。やはり、技術的なハードルをはじめ、スタイリング案がなかなか決まらなかったのだとか。当初はジウジアーロによるスタイリングが有力視されていましたが、社内デザイナーからは「昔のブガッティにそっくり過ぎる」との意見でボツ。では、社内デザイナーはどんなものを作ったかというと、こちらのファニーフェイスだったのです。

 フロッグアイを思わせるヘッドライトは、あたかもビートルへのオマージュかのよう。また、ブガッティのオリジナルを大胆にアレンジしたグリルはキャメルトゥ(ラクダの蹄)のようだと揶揄されたとのこと。ルーフ中央からリヤまで走る垂直フィンは、当時流行の直進安定性の向上を狙ったデザイン。フレンチブルーのカラーと、ブガッティ・タイプ37を思わせるホイールがなければ、デザインの方向性がわかりづらいったらありゃしない。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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