アメリカは意外にも交通ルールに厳格 フリーウェイのジャンクションといった立体道路にあるカーブでも、制限速度は低めに設定されているのだが、日本では少し余裕をもたせているともいわれ、たまに制限速度オーバーで進入しているように見えるクルマがいるが、難なくカーブを曲がっている光景を見ることも珍しくない。一方アメリカでは、設定速度にマージンがあまり設けられていないので、うっかり高めの速度で進入すると、冷や汗をかくこともあるので、こういったシーンの多さから、指定された制限速度は意外なほど厳守する傾向があると考えている。
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前述のとおり、学校に面した道路ではさらにスピード厳守を求めており、制限速度の標識の上部に黄色地(蛍光色っぽい)に黒字で、「SCHOOL(学校があると示している)」と表示されていたりもする。
ちなみにアメリカでは片側2車線といった道路でも住宅地では「ALL WAY STOP」となる交差点が多い。信号のない交差点では、日本のようにどちらが優先かといったことはせずに、その交差点を通過するすべてのクルマが一時停止しなければならないのである。では、誰が先に通過するのかというと、それは自分より早く交差点に到着していたクルマを先に交差点を通過させるのがルールとなっている。これが意外なほど厳密に守られている。
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さらに、アメリカには交差点以外に信号のない横断歩道があるのだが、ここについては横断歩行者に気がつかず、車両と歩行者の人身事故が一時社会問題にもなり、信号のない横断歩道近くには、蛍光色が地となり、図柄で横断歩行者があることを強調した標識を設置したり、なかには信号こそないものの、横断したい歩行者が横断歩道そばのボタンを押すと、オレンジに光るフラッシュライトが点灯し、横断歩行者がいることを車両に知らせるところもあったりする。
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最後に余談をひとつ。今回2025年9月下旬から10月上旬にかけて南カリフォルニアを訪れたのだが、滞在期間中大型トレーラーが車線変更の合図を出していたので、前方に大型トレーラーが入れるぐらいのスペースを空け譲ったところ、錯覚かもしれないが、サンキューハザードをしてくれた。アメリカでは文字どおり緊急時以外ハザードランプはむやみに使ってはいけないことになっているので、これには驚いてしまった(大型トレーラーが上り坂などで低速走行になるときなどには使っている)。日本へ旅行したドライバーが、「これはいい!」と感じて使っているのだろうか、それともやはり錯覚なのか、悩んでしまった。
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このほかにも、意外なほど交通マナーやモラルにもうるさく、日本では当たり前のような運転をしていると、時おりクラクションを鳴らされることもある。さまざまな地域を由来とする人や、世界中から移民としてやってきた人が運転するだけに、アメリカ国内の標識のわかりにくさは慣れてもらうしかないのだろうが、法規やモラル、そしてマナーなどの厳守を、日本よりも運転では求められているのかもしれない。とはいえ、そのような環境でも悲しいかな、無法者みたいなドライバーも存在しているが……。