台座のようなセンターコンソールも単なるコンセプトじゃない
きわめて低く構えたボンネット
外観のスタイリングのポイントは、まず圧倒的なボンネットの低さです。コンセプトカーとして20インチの大径タイヤを装着していますが、それでも真横から見てホイールアーチからすぐの高さにボンネットのピークがあるのは、いまのクルマでは不可能なレベルです。
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「この低さはいま開発しているコンパクト思想のエンジンによるところが大きいです」とのことで、これはスタイリングだけでなく、コーナリング性能や空力性能にもいい効果を及ぼします。また、「これは運転者の視界を遮らないという点にも効果があります、この車両は運転視界の確保にも気を配っていて、頭上まで広げたフロントウインドウや、前に向かって切り下げたショルダーラインなどはその一環です」と教えてくれた。
さらに、ボンネット中央後部の黒いカバーや、ルーフサイドからトランク上部にかけての黒く色わけされたセクションが印象的ですが、これも車体を低く感じさせるための新たな試みとして行ったそうです。ちなみに後方にまわり込むと、リヤウインドウがかなり狭いことに気付きます。これはキャビンを端に向かって絞り込んでいき、フェンダーの張り出しを際立たせる処理によるものですが、「この開口面積でもヘッドレスト越しに見ると思ったほど遮られていないので、意外と気にならないと思います」とのこと。
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チャレンジは外観だけではなかった
外観でだいぶ驚かされましたが、じつは内装も意欲的なチャレンジ的な試みが満載でした。まずフロントウインドウ越しにも、前席の左右のヘッドレスト形状が異なることに気付きます。これは、運転席と助手席では求める機能や要件が異なるのだから、構成も変えた方が理にかなっているのではないか、という考えによるものです。
運転席はドライビングに集中できるようにショルダー部分のサポートをしっかり行うつくりになっており、また助手席はリラックスできるように自由度の高いシートバックになっていて、横長のヘッドレストにはスピーカーが装着されています。
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そして、足もとに目を向けると、まるで高級セダンのような広い空間が広がっていることに気付くでしょう。これもエンジンのコンパクト化が効いています。
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さらに、センター部前方に、なにやら見慣れない小高い台座のようなものが目に留まります。これはユーティリティのためのテーブルに見えますが、じつはシフト操作のコンソールを兼ねているそうで、飾りのミニチュアだと思った部分が操作レバーとして機能するというコンセプトだそうです。
さすがにこれはお遊びですよね? と聞いてみると、「いえ、これもマジメに検討しているもので、直感的なUIを模索している段階で出たアイディアをカタチにしたものです」とのこと。
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さて、このカローラ・コンセプトはかなりの確率でこのイメージのまま市販化予定だということはお伝えしましたが、いまのトヨタはユーザーからの要望を重視して真摯に受け止めているので、「こうしてほしい!」という要望は大歓迎だそうです。
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このカローラ・コンセプトで気に入った機能やデザインなどがあれば、じゃんじゃんエールを送りましょう。