3人乗りのショーファークーペって一体……「これからの100年」を象徴する「センチュリークーペ」の激熱メッセージ【ジャパンモビリティショー2025】 (2/2ページ)

変則的な3人乗りのショーファークーペ!?

■センチュリークーペの特徴

 気になるのはこの「センチュリークーペ」がどんな位置づけのクルマかという点でしょう。

 この車両はブランドの独立化を象徴させるコンセプトカーで、まだ販売の予定はないとのことです。しかし、込められたコンセプトは実車へのフィードバックを前提にしたもので、今後に出てくるであろう新型モデルに反映される可能性は高いでしょう。

 この「センチュリークーペ」のコンセプトは、ショーファーカーの風格をたたえその用途を発展させつつ、ドライビングプレジャーも両立させるというものです。

 具体的には、ドライバーにはその優雅でパワフルな走りを楽しんでもらえる空間を備え、その一方で、助手席と後席にはエスコートされるセレブリティへのおもてなしを実現させるというものです。

 それをカタチにしたのが変則的な3人乗りレイアウトです。運転席はドライビングに専念できる空間を用意して、助手席と後席は十分にくつろげる空間と、優雅な乗降を実現させる機構が備わっています。

 とくに注目なのが乗降時のふるまいで、まず開口部を最大限確保するために、2枚が両側に開く特徴的なスライドドアを装備しています。

 ドアが開くと助手席のシートがスライドして後方に下がり、外側に45度ほど回転します。たとえば、ドレスを着用したセレブが式典やパーティのエントランスでクルマから降りるシーンを想像してみてください。これまでのショーファーカーはサイドシルをまたぐ動きが必要で、ドレスの女性が足を開くことを強要されます。
この仕草は優雅とはいえないので、それをさせない乗降の機構としての提案だそうです。

 また、運転席と助手席の空間に備えられた仕切りが気になりますが、これは運転手とVIPの空間を“やんわり”仕切る提案で、空間を共にしながら、ほどよくくつろげる空間に仕立てる狙いだそうです。

■ ショーファーなクーペとしてのスタイリング

 外観の見どころはその佇まいです。ドライビングを楽しむクーペとしての魅力を表現するためのスピード感を出しつつ、センチュリーブランドとしての風格を両立させるため、おおらかな面で優雅さを見せつつ、フロントからリヤに抜けるまっすぐなショルダーのハイライトでスピード感を演出しています。欧州のトレンドに見られるサイクルフェンダーを意識したフォルムとは一線を画す処理です。

 また、リヤウインドウがないのもこの車両の特徴です。これもおおらかな面で構成する仕上げの一環で、艶やかな面を多く見せて色っぽさを表現しているとのこと。後方の視界が心配になりますが、カメラでカバーするシステムが想定されているそうです。

 ちなみにこの印象的な深みが魅力のボディカラーですが、ベースにシルバーを吹いたあとに“緋色”を表現する透け感のある専用の塗料を60層も塗り重ねてできあがっているそうで、その職人による手間のかかる工程はまさにトヨタのトップブランドを象徴するクルマにふさわしい仕上げといえます。

 この「センチュリークーペ」は発売未定とのことですが、どのようなカタチで市販されるのか、想像を膨らませながら待っていましょう。


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往 機人 OU AYATO

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