プロフィアのFCEVにデュトロのEV! 日野は水素にも電気にも本気だった【ジャパンモビリティショー2025】 (2/2ページ)

水素と電気で走るプロフィアに自動運転レベル4を試験的に搭載

●プロフィア Z FCV(初展示)/L4コンセプト(参考出展)

 2025年10月24日に発売した燃料電池大型トラック「プロフィア Z FCV」を初展示。カーボンニュートラルと水素社会の実現への貢献が期待されている。大型商用トラックに求められる十分な航続距離と積載量に加えて、素早い水素燃料の充填時間を実現。

 プロフィア Z FCVは、実用性と環境性能を両立した、日本国内初の燃料電池大型トラック量産モデルとなっている。さらに、ディーゼル車と同ラインで生産することによって今後の量産体制も整えれれている。

 さらに、L4コンセプトは、「交通事故死傷者ゼロ」を達成するための先進安全技術をプロフィア Z FCVへ試験的に搭載した参考出展車両となる。高速道路での自動運転レベル4相当の走行を想定し、レーダーの性能を向上させつつ、カメラやLiDAR(ライダー)などのセンサーも新たに搭載している。

●デュトロ Z EV(初展示)

 2022年6月の発売から累計1600台以上を販売した小型BEVトラック「デュトロ Z EV」は、物流のラストワンマイルの現場で活躍しているモデルだ。ドライバーへの負荷を軽減する「超低床+ウォークスルー」の荷室や、普通免許で運転可能なサイズ感などの高い利便性が特徴となっている。

 さらに、2026年夏頃に発売を予定している新モデルは、バッテリー容量の増加によって一充電走行距離が伸びるなど、現場の声を反映して利便性がより一層進化するという。また、日野ブース内では、荷室の幅広い活用方法と、CUBE-LINX(キューブ・リンクス)による床下自動充電も紹介していた。

●セレガ(参考出展・初展示)

 2026年春頃に発売予定の大型観光バス「セレガ」の新モデルでは、国内トップレベルの安全装備と走行性能や静粛性、燃費の向上を実現。また、「機能美」を表現したとされる20年ぶりの新デザインが与えられたエクステリアに加え、上質な空間のために内装もこだわって作り上げられた。安心安全で環境にやさしい、エレガントな旅を提供してくれる。

●レンジャー(初展示)

 2026年内に発売を予定している中型トラック「レンジャー」の新モデルを初展示した。これまでの優れたQDR(品質+耐久性+信頼性)に加えて、便利かつ安全な稼働のために、最新の装備を搭載している。

 安全装備では、標識表示機能の追加とバックブザー装着義務化の法規への先行対応を実施。架装の面では、尿素タンクのレイアウト最適化で、ショートホイールベース車のフレーム横にスペースが確保され、架装時の自由度が向上した。走行性能では、ミラー形状最適化による空力改善と尿素化よる燃費向上、高出力エンジンでパワフルな走りを実現するとしている。

●ダカール・ラリー レーシングトラック(レンジャー)

 1991年に日野は、日本国内のトラックメーカーとして初めて「世界一過酷なラリー」ともいわれている「ダカール・ラリー」に挑戦。最低完走率20.5%を記録することもあるなかで、なんと2025年大会では34回連続完走という偉業を達成した。

 ブースでは中型トラック「レンジャー」をベースに開発された2019年参戦車を展示しており、搭乗体験や写真撮影だけでなく、チームメンバーとの交流を通じて「砂漠のリトルモンスター」の迫力と驚きを体感できた。

 これまで日野ブースの展示車両紹介をしてきたが、プレスカンファレンスにおいて小木曽聡社長のスピーチを聞いていて、とくに強く感じたのが、日野が「良いクルマ」を造るのは基本であり、その先にある、「人々を支えて社会の役に立つ」ところまでを見据えているということだ。「誠実なモノづくり」が私たちの社会を支えてくれる未来は、もうすぐそこに来ている。


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