この記事をまとめると
■BYDのBEVスーパーカー「ヤンワンU9」が日本初披露された
■新世代e4プラットフォームとDiSus-X制御技術が驚異的な加速と安定性を実現
■中国での価格は約3500万円で日本導入未定ながらEVスーパーカーの象徴的存在となる
世界最速クラスのBEVスーパーカー
ジャパンモビリティショー2025のBYD乗用車ブースでひときわ注目を集めたのが、真っ赤なスポーツカーだ。しかも跳ねている! このスーパーカーこそがBEVスーパーカー「YANGWANG U9(ヤンワン ユーナイン)」だ。U9はBYDの最先端技術を結集させた高性能EVで、そのデザインは未来的かつアグレッシブな印象を与える。
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この「U9」は、BYDの新エネルギー車生産900万台目として2024年にラインオフしたもの。最新世代の4輪駆動プラットフォーム 「e4プラットフォーム」と電子サスペンションシステム「DiSus-Xインテリジェント車体制御システム」というふたつの核心技術に基づいて設計されたという。
今回の展示車は見るからにスーパーカーの様相を呈している。ミドシップカーを思わせる流線型の真っ赤なボディにカーボンファイバー製の大きなリヤウイング、超低扁平の大径タイヤに、斜めに跳ね上がるシザースドアなどなど。
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U9の詳細なスペックは明らかにされていないが、0-100km/h加速は約2秒だといわれている。2025年8月にはサーキット性能に特化した「YANGWANG U9 Xtreme」が、ドイツでEV世界最速記録496.22km/hを樹立したというから驚きだ。
そして、「躍っている」かのような挙動は、前述の「DiSus-Xインテリジェント車体制御システム」のおかげだ。このシステムは、「空気圧や油圧を使った高度なアクティブサスペンション」と紹介され、従来のエアサスペンションの概念を大きく超えた技術で、加減速やコーナリング時にサスペンションを瞬時に制御し、ロールやピッチを抑制。タイヤ接地性を最適化し、快適性と操縦安定性を両立しているという。将来的にはADAS(先進運転支援システム)機能と連動し、より安全性の高い走行や自動運転の実現に貢献する基幹技術だそうだ。
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U9の中国国内での価格は168万元(約3,500万円)と発表されている。今回はあくまで「参考出品」で、日本での発売は公表されていないが、ぜひとも日本国内で公道を走っている姿が見られる日が来ることを期待したい。