ランドローバーきってのご長寿モデル! ディフェンダーは現行で2代目……だが歴史を辿ると実質7代目だった

の記事をまとめると

ディフェンダーは1948年の初代ランドローバー・シリーズⅠがルーツのご長寿モデルだ

ランドローバーはレンジローバー/ディフェンダー/ディスカバリーとシリーズが3つある

■2025年10月には先代ディフェンダーベースの日本限定特別仕様車が発売された

ディフェンダーはランドローバーのなかでも長い歴史をもつ

 イギリスのSUV専門ブランド、ランドローバーは現在、レンジローバー、ディフェンダー、ディスカバリーの3つのシリーズからなる。もっとも歴史が長いのはディフェンダーで、1948年の初代ランドローバー・シリーズIにルーツがあるというのが、インポーターの説明だ。

 それぞれのシリーズが誕生した年は、初代レンジローバーが1970年、ディスカバリーは1989年で、ディフェンダーはその翌年発表となっている。つまり、レンジローバーやディスカバリーが登場し、ランドローバーというネーミングがブランド名と車種名の両方に使われることになったので、車種のランドローバーに「ディフェンダー」という新たな名前を与えた。この経緯は、チェロキーなど新しい車種が加わったことでラングラーと呼ばれるようになったジープと似ている。

 前述のように、ランドローバーの第1号車は、1948年のシリーズ I だ。そのあと、シリーズ II 、II A、IIIと進化を重ねていく。シリーズ II への進化では、現行ディフェンダーにまで受け継がれるボディサイドのショルダーが設けられ、シリーズ II Aの途中ではフロントグリル内にあったヘッドライトが外側のフェンダーに移動した。そしてシリーズ III では、先にレンジローバーに搭載されたV型8気筒エンジンをラインアップに加えた。これに伴い、フェンダーより奥まった位置にあったグリルが前に出て、面一になった。

 続いて前後とも板バネを使ったリジッドアクスルのサスペンションが、リジッドのままコイルスプリングになる。これもレンジローバーの技術を転用したものだ。

 この世代はシリーズ○とは呼ばれず、ホイールベースのインチ表示を取ってランドローバー90/110/127と呼ばれた。しかし数年後、モダンなボディをまとったディスカバリーが登場したことで、ディフェンダー90/110/127になったのだ。

 つまり、現行ディフェンダーは、ディフェンダーとしては2代目になるが、初代のルーツがシリーズ I / II / II A/ III /コイルスプリング/ディフェンダーと進化しているので、それを含めれば7代目になる。

 現行型も90/110/130という命名方法は受け継いでいるが、実際のホイールベースを見ると90は100、110と130は120とするほうが近い。そうしなかったのは、ボディサイズが拡大され、構造面でもモノコックに4輪独立懸架と激変したなかで、伝統を受け継ぐ存在であることをアピールするためかもしれない。

 ちなみに今年は、ランドローバーが日本に上陸して75周年とのこと。それを記念して10月には、先代ディフェンダーをベースとした日本限定特別仕様車、クラシックディフェンダー・ワークスV8ムロマチエディションが発売された。

 車名のムロマチは、初のランドローバーが輸入されたのが日本橋室町だったことにちなんでいるそうで、イギリスで程度のいい中古車を用い、最新のパワートレインやシャシーなどを組み込んだとのこと。

 驚くべきは90と110が各1台しか作られず、価格がどちらも6400万円ということ。ヘリテージモデルのワンオフなので高価なことは納得できるが、先代ディフェンダーの90と110が約400万円だったことを知る身には、複雑な数字である。


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森口将之 MORIGUCHI MASAYUKI

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