これって……パジェロじゃん! 三菱の新型SUV「デスティネーター」を早よ日本に入れて!! (2/2ページ)

三菱によって随所に仕掛けられたパジェロのテイスト

 前述した大画面ディスプレイオーディオにはパジェロの3連メーターをオマージュした表示モードを備えるほか、テールゲートのデザインに背面式スペアタイヤをモチーフとした「ヘキサガードホライズン」を採用するなど、三菱自身もパジェロとのつながりを意識しているようだ。

 ただし、デスティネーターのパワートレインは1.5リッター4気筒DOHCのMIVECターボであり、トランスミッションはCVTの前輪駆動車である。サスペンションについても、フロント・ストラット、リヤ・トーションビームという構成は典型的なFWD車であり、基本的な走破性についてはパジェロの後継とはいい難い。

 しかしながら、電子制御についてはAYC(アクティブヨーコントロール)のような三菱らしい4輪制御技術が投入されている。ドライブモードが、ノーマル/ウエット/ターマック/グラベル/マッドという5パターンになっているのも三菱らしい。

 三菱らしいハイテクさは、エンジンでも感じられる。1.5リッターターボの最高出力は120kW、最大トルクは250N·mと平均的なスペックといえるが、採用されたメカニズムは非常に興味深い。

 たとえばインタークーラーは高温多湿のエリアでも冷却性能が期待される水冷式となっているし、燃焼効率を高めるためアトキンソンサイクルが採用されている。燃料供給についてもDI(直噴)とPI(ポート噴射)の併用となっているのは、かなり凝ったメカニズムという印象を受ける。

 機能面では、「ダイナミック・サウンド ヤマハ・プレミアム」を採用しているのも注目だ。ヤマハとコラボレーションしたオーディオは、最新のアウトランダーPHEVに搭載され、期待以上の好サウンドが評判だが、同じ流れにある純正オーディオを採用しているということで、デスティネーターの快適性への期待を高める。

 デスティネーターという名前は、「ドライバーや一緒に過ごす大切な家族が新たな目的地(Destination)へ踏み出す後押しをしたい」という想いからつけられたという。はたして、その目的地のなかにニッポンが含まれているのかは不明だが、価格次第では日本市場でも十分に受け入れられるSUVとなるのではないだろうか。

 ここで紹介したように、4輪制御やエンジン技術については三菱らしいハイテク感がある。まさに手ごろなSUVを求めるファン待望の一台といえそうだ。


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山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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