環境性能とタイヤ性能を高レベルで両立
再生カーボンブラックについては本サイトでも既報しているが、補強剤のカーボンブラック製造工程で、使用済みタイヤの精密熱分解で得られたオイルを使うのがポイント。これで石油由来のオイルを使わなくてもよくなったのだ。
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この試みには、ENEOSともタッグを組んでいてスーパー耐久の冠スポンサーとして名を連ねる2社が、この分野でもパートナーシップを発揮している。
また、再生スチールにも、日本のリーディングカンパニー2社が協力している。ブリヂストンのリサイクルセンターで回収した使用済みタイヤを原料にして、山陽特殊鋼の電炉で製造し、日本製鐵の設備で圧延・熱処理したビードワイヤーが採用されている。
なお、今回は詳しい解説は省くが、このサステナブルタイヤに対してもブリヂストンの新たな商品設計基盤技術「ENLITEN」を搭載。環境性能とタイヤ性能を高レベルで両立させている。
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気になる「再生資源・再生可能資源比率」について今井氏は、「今回は具体的な数字は差し控えさせていただきますが、BWSCのソーラーカーレース用タイヤの際に公表した65%(以上)に対して、遜色ないレベルと考えていただければ幸いです」とコメントした。
ちなみに来シーズンはスーパー耐久シリーズだけでなく、フォーミュラEにもサステナブルタイヤを供給予定とのこと。この技術に賭ける同社の意気込みの強さを改めて感じた。
最後に11月16日の日曜日、12号車のロードスター(RS Future concept)と28号車のGR86は順調に4時間の決勝レースを完走。ともに120ラップという実りあるパフォーマンスを発揮した。
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決勝レースを走り終えた12号車Aドライバーの川田浩史選手を直撃すると、「マシン自体がアップグレードされて、厳密に同じ条件じゃないのですが、初めてなのにシッカリ使えるタイヤでした。当然パフォーマンスは進化するだろうし、耐久性はすでに遜色ない印象です」と感想を語ってくれた。