日本における三菱の顔は間違いなくデリカD:5! フルモデルチェンジせずともずーっと売れ続ける怪物ミニバンの秘密 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■19年目を迎えるデリカD:5は三菱を代表する主力モデルとして定着した

三菱独自のRVの系譜とミニバン需要の融合が競合不在の市場を形成している

■発売間近の改良型がさらなる販売増を後押しすることが見込まれる

19年目に突入する異例の存在

 2025年10月30日から11月9日の会期にて開催されたジャパンモビリティショー2025にて、三菱自動車はSUVとミニバンのクロスオーバーモデルとも表現できるデリカD:5の改良モデルを出品し、10月30日より予約受注を開始した。本稿執筆時点では2025年冬デビューとしてティザーサイトが展開されている。

 デリカD:5は2007年1月31日の正式発売以来たび重なる改良を行いながら、今日までフルモデルチェンジを行うことなく、間もなく19年目に入ろうとしている。その点ではキャラクターを含め「異色の日系モデル」といっていいだろう。

 ご長寿モデルとしては22年目に入ろうとするハイエース(H200系)や、24年目に入るプロボックスなどモデルチェンジを行っていない車種もあるが、こちらは商用車。乗用車としてはまさに異例の存在となっているといえるだろう。

 過去5年(事業年度締め/4月から翌年3月)でのデリカD:5の年間販売台数をみると、2020事業年度締めが1万2960台(月販平均約1080台)、2021事業年度1万4117台(月販平均約1176台)、2022事業年度1万6672台(月販平均約1389台)、2023事業年度1万7022台(月販平均約1418台)、2024事業年度2万1801台(月販平均約1816台)となっている。

 ちなみに2022事業年度締めの2位を除き、2020、2021、2023、2024の各事業年度では三菱自動車の登録車のなかでは1位、つまり「もっとも売れた三菱製登録車」となる。

 直近の2025事業年度(2025年4月~2026年3月)締めでの上半期(2025年4月~9月)での累計新車販売台数は1万3540台(月販平均約2256台)となっている。先代からアウトランダーがPHEVモデルをメインに、現行モデルでは日本国内ではPHEV専売車として注目されているものの、販売台数でみるとまだまだ「三菱の顔」はデリカD:5であることには驚くとともに、三菱車らしさをもちながらも売れ筋のミニバンテイストを付加させた秀逸なモデル開発に感心するばかりである。

 2019年2月の改良実施時の月販目標台数が1500台となっているので、販売状況はメーカーのほぼ予測どおり、もしくは直近ではそれ以上の勢いで売れているといえるだろう。

 2018年に顔つきを変える大幅改良を行い、さらに2019年には安全運転支援デバイス(ADAS)の採用や8速ATへの変更などさらに大幅な改良が行われており、コアなファンによるデリカD:5からデリカD:5への乗り換えも積極的に起こっているようで、モデルチェンジを行わず間もなく20年間が経過するモデルとなるのに、販売台数が落ち込むどころか盛り上がりを見せている。本稿執筆時点で予約受注を取っている改良モデルの正式発売により、さらに販売台数に弾みがつくのではないかと考えている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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