この記事をまとめると
■カスタムカーのなかにはボンネットの先端に黒いカバーをつけているクルマがいる
■黒いカバーの正体は「ノーズブラ」や「バグガード」と呼ばれポルシェ発祥といわれている
■アメリカで需要のあったパーツで北米風のカスタム愛好家に支持されている
ボンネットの先端が黒いクルマの正体
ボンネットの先端に装着するバグガードやフロント部分を覆うノーズブラは、主にクルマでの移動頻度の高い北米などで多く見られる装備で、そういった北米テイストなカスタマイズを好むユーザーには、その雰囲気を比較的手軽に味わうことができるアイテムとしても人気となっている。
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バグガードはバグ=虫がフロントガラスに付着するのを防ぐもので、ボンネット先端にあえて突起などを設けることで走行中の風の流れを変化させ、フロントガラスに直接虫がぶつかることを減らすことを狙ったもの。
単なる飾りのようにも思えるが、日本でも高速隊のパトカーに装着された実績があるところをみると、それなりに効果はあるようだ。
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このうちノーズブラは、クルマのフロント部分を覆うカバーのようなもので、バンパーからボンネット先端までほとんどを覆うフルブラや、ボンネット先端のみを覆うフードブラなど種類は複数あるものの、基本的には車両前部への飛び石による傷つきを防止するアイテムとなっている。
このノーズブラは革製や合皮製のものがメインで、顔面の多くを覆うことでクルマのイメージを変化させることができるのだが、そもそもの出自は1960年代にポルシェの新型車がロードテストを行う際に車両の保護とカモフラージュを兼ねて装着したものが発祥と言われている。
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ちなみにこのノーズブラ、フロント部へのキズ防止が主目的ではあるものの、長期間装着したままにしておくと湿気や汚れが溜まって塗装面へのダメージになってしまったり、そもそも装着する際に細かなキズが入ってしまうこともあるので、装着には注意が必要である点も留意したいところ。
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また、アメリカらしさを演出するアイテムとして知られてはいるものの、近年ではアメリカでも実際に装着している車両はそこまで多くないともいわれており、さらにはプロテクションフィルムの台頭によってさらに装着車両は減っているようだ。
とはいえ装着するだけで一気にアメリカンな雰囲気をまとうことができるノーズブラは、USカスタムを嗜むユーザーを中心にまだまだ高い支持を集めており、まだまだ装着車の多かった1990年代くらいまでの車両にはピッタリ似合うアイテムであることは間違いないだろう。
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