祝・プレリュード復活! とはいえ新車は高くて買えないので歴代の中古車を探してみた結果けっこう難しい選択だった (2/2ページ)

5代目プレリュードならまだ狙える

 その5代目(1996-2001年)は、コンセプトを3代目以前の路線に回帰し、スペシャルティクーペとしてのキャラクターが再び与えられ、居住性の向上が計られた世代。

 スポーツグレードの「タイプS」と「SiR S スペック」には特別な2.2リッター220馬力エンジンが用意され、「タイプS」には新開発のATTS(左右駆動力分配システム)も搭載。新開発のシーケンシャルモード付4速AT=Sマチックも初搭載されている(5速MTあり)。サスペンションも前後ダブルウイッシュボーンが奢られた、かなりスポーティになったプレリュードである。

 じつはつい最近、歴代プレリュード(初代から5代目まで)に試乗する機会があったのだが、3代目まで、とくに1990年代のデートカーの象徴だった2代目の2.0SiのATモデルにいま乗ると、当然、初代より洗練されていて、運転席からは低いボンネット左右の膨らみが確認でき、パワーステアリングはスローながら適度に軽く扱いやすく、乗り心地はガッチリとしたボディ剛性に支えられたタッチと言ってよく、四輪操舵の4WSはコーナリング時に現代の感覚であれば「唐突」に切り込む挙動を見せるものの、当時はその機能の先進性に誰もが驚いたことを思い出した。

 が、現代のホンダ車と比較すれば、やはり古さは隠せない。もはやネオクラシックカーと呼んでいい旧車である。

 一方、5代目のタイプSを走らせれば、硬めのガッチリとした乗り心地、コクッと決まるゴキゲンなシフトフィール、ふかふかなソファ感覚のシートのかけ心地、サポート性のよさ、たとえエンジンを3000回転以上までまわしても静かな静粛性の高さなど、当たり前だが、5代目までの歴代プレリュードのなかではもっとも洗練された、現代にも通用する走りっぷりを披露してくれたのである。じつは5代目以前の中古車のほとんどがその5代目であり、走行距離10万km未満を中心に、価格は200万~300万円といったところ。4速ATのほか、5速MTもちらほら見つけることができる。

 もっとも、5代目を新型プレリュードの約半額の300万円で手に入れたとして、今後のメンテ費用とともに、新型プレリュードの半額の(新車ではなく中古車としての)価値があるかといえば、それは個人の予算、考え方、思い入れもあるだろうが、5代目の中古車の購入には、もっとも新しくても24年前のプレリュードだけに、慎重な判断が必要だろう。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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