この記事をまとめると
■純正オーディオが貧弱だった1980年代には高級ユニットや追加ツイーターが流行した
■高周波域を担当するツイーターは音の鮮明度や立体感を大きく左右する
■現代はAピラー埋め込みが主流で車種ごとに高度なチューニングが施される
かつてオーディオカスタムで大流行したツイーター
1980年代のクルマ好きや音楽好きの間で大流行したのが、車載オーディオのカスタム化やグレードアップだった。当時の車載標準オーディオはラジオやカセットテープの再生に限られ、標準装備されるオーディオはオーディオと呼べない廉価でプアなものだったのだ。
そこで、音楽好きのマニアは「ナカミチ」のオーディオユニットや、リヤパーセルトレイ左右に置く「B&W」や「BOSE」などのブックシェルフスピーカーに大枚を払い、オーディオをグレードアップしていたのである。
BOSEのブックシェルフスピーカー画像はこちら
さらにグレードアップを図る手段として流行ったのが、オーディオカスタムの入門ともいえるツイーターの増設である。ツイーターとは小鳥のさえずり=tweetが由来。小さなスピーカーユニットであり、スピーカーのなかで高音を出す役割を担い、電気オーディオ信号の高周波数帯域を専門に再生するように設計されている。
ちなみに、ドアマウントされていることが多いウーファーと呼ばれる大型スピーカーの再生周波数20~2000Hzに対して、ツイーターは2000Hz~20000Hzの周波数を担当する。周波数が高いほど、音楽の高いピッチが再生できるわけである。具体的にはボーカル、ギターなどのリード楽器、弦楽器などの音域であり、ラジオなら話し声も相当する。つまり、ボーカル=歌がより聴こえやすくなり、きらびやかなサウンドをしっかりと再生してくれることになる。
ツイーターのイメージ画像はこちら
ツイーターは「小さなユニット」と説明したが、そのメリットは、高周波の音を生成するためにはスピーカーが高速で振動する必要があり、表面積と質量が小さいほど振動しやすく、高周波の音を出しやすい特性があるからだ。さらに、超高音域のみを再生するスーパーツイーターもあり、ツイーターに加えて設置することでさらなる高音を加える手法もあったりした。