フィアット500もEVだけになっちゃったか……と思ったらエンジン搭載車が登場だと!? しかも6速MT「だけ」とかやっぱフィアットはわかってらっしゃる!!

この記事をまとめると

■フィアットが内燃機関を搭載する500ハイブリッドを発表した

■500ハイブリッドはEV用プラットフォームを改良して64馬力の1リッター直3を搭載

■現状では6速MTのみが組み合わされ右ハンドルの登場も確定している

フィアットが500ハイブリッドをついに発表

 フィアットの象徴的モデルシリーズとしてブランドを背負って立つ500に待望のハイブリッド、いや内燃機関搭載モデルが加わった。

 2020年にフルモデルチェンジした新しい500シリーズが、EVの500eとしてデビューした当初、そのプラットフォームはEV用とされていた。次世代へと続く新しい500シリーズの誕生に歓喜したファンと同じくらい、いやもしかしたらそれ以上に多くのファンが「内燃機関を搭載する500はもう出ないのではないか」と失望したはずだ。実際、500eは、2022年までは堅調に販売台数を積み重ねていたというが、それ以降は大失速。2024年にはあまりにも売れなさすぎて、工場の稼働を停止して、生産を一時停止するほどまでに追い込まれていた。

 が、ここでフィアットは大逆転の一手を打ってきた。EV用プラットフォームを改良することで内燃機関の搭載を可能にするという荒業をやってのけたのだ。ときどきこういう無理筋をとおしてくるからイタリア車メーカーは大好きだ。

 さて、気になるパワートレインは、1リッターの直列3気筒エンジンにモーターを組み合わせたもので、最高出力は64馬力で前輪を駆動する。純EVで155馬力の500eが0-100km/h加速9秒であるのに対し、500ハイブリッドの0-100km/h加速は16.2秒(クーペ)というから、正直なところEVよりもかなり遅そうではある。

 しかし、速い遅いは500ハイブリッドにとっては大きな問題ではない。なんとこの500ハイブリッド、組み合わせられるトランスミッションが6速MTとなっているのだ。先代モデルもそうであったが、フィアット500の魅力のひとつにクルマとの一体感があった。それだけに、マニュアルトランスミッションのみの設定としてきたフィアットには「ホントに売る気あるのかよ」と思わなくもないが、ここは素直に称賛を送りたい。

 また、エクステリアがほとんど500eと変わらないというのもポイントが高い。愛嬌ある500シリーズのフォルムを継承した500eのスタイリングは、デビュー当初からその評価はすこぶる高かったから、これは喜んでいいところだろう。ちなみに500eと500ハイブリッドは、フロントに冷却用のグリルがあるかないかで見わけることが可能だ。

 フィアットは、500ハイブリッドの右ハンドル仕様を2026年4月から生産を開始することも発表している。日本導入こそ未定とされているが、これはかなり期待していい、というかほぼ日本にも導入されることは確実と思っていて間違いないだろう。

 そしてもうひとつ、2020年に500が500eとなったことで販売台数が急降下し、ブランド存続の危機に面していた「アバルト」にも500ハイブリッドの登場は救世主となるはず。できる限り早い時期にアバルト版500ハイブリッドが登場することを願いたい。


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