新型プレリュードの最高なところと「ココをもうちょい……」なところ! 2代目をデートカーとして使い倒したライターがガッツリ語り倒す (2/2ページ)

クルマの仕上がりがいいからこそ期待したいポイント

 が、ここはもっとこうしてほしい……というポイントもある。まずは価格だ。シビックタイプRのスポーツシャシー、「Honda S+ Shift」などの凝った機能を備えるとしても、内外装のデザインはそのままに、もう少しカジュアルな価格のグレードもあってほしいように思う。

 ターゲットは1980年代プレリュードを知るシニア層であり、資力ある大人のスポーツクーペとしてなら600万円オーバーも納得できないでもないが、当時のプレリュードを知らない若者でも、スタイルを含めれば現在ホンダ唯一の純スポーティカーとなった新型プレリュードに憧れる人たちは多数いるはずだからだ。

 トランスミッションも、シビックタイプRのスポーツシャシーをもつことから、MTがほしいところ。本来のコンセプトから外れ、シビックタイプRとの差別化がしにくくなる可能性もあるが、マニア向けのMTバージョンがあればさらに新型プレリュードの魅力が広がるような気がする。

 そして、実際に駐車場や都会の狭い道、軽井沢の山奥の道などを走って感じたのは、小まわりが利かないこと。最小回転半径はシビックタイプRの5.9mより小さいシビックe:HEVモデルと同じ5.7mとはいえ、全長4520mmのボディサイズから想像するよりは大まわりなのである。とくに狭い駐車場の出し入れは難儀だった。

「Honda S+シフト」のスピーカーから発せられる合成されたエンジン音の高まりや、有段ATのような段付きあるエンジン回転数の変化はなかなかだが、走りの楽しさをさらに高揚させるブリッピング音が、路面にもよるがロードノイズによって控えめに聞こえてくるところも惜しまれる。そもそも疑似音なのだから、音量調節できればうれしいのではないか。

 そして、ボディカラーのバリエーションを増やしてほしい。現在はホワイト、グレー、ブラック、レッドの4色のみ。スタイリングに似合うことや車格、価格も勘案したセレクトだろうが、もう少しビビッドな色があってもよさそうだ。

 もちろん、シャシー優位な現在の動力性能だから、パワーユニットをよりパワフルなものにしてほしいとも思えるが、そうするといったいいくらになるのかと考えると、このままで十分ともいえそうだ。あくまで大人のスポーツクーペなのだから。それでも、先日袖ケ浦フォレストレースウェイで走らせたが、存分に楽しむことができた。

 最後に、1980年代の2代目プレリュードでドライブデートを楽しみつくした世代の筆者としては、2代目プレリュードにあった、運転席側からも助手席をリクライニングできるよう、助手席右側側面のリクライニングレバー(デートカーと呼ばれるゆえんのひとつだろう)の復活を一瞬考えたりもした。だが、いまどき相手の意に反してパタンと助手席を倒したりしたら、即訴えられるリスクもありそうだから、令和の時代にこれは無理というものだろう……。

 と、いろいろいいながらも、往復320kmのドライブを快適すぎるほどにこなし、運転を楽しませてくれて、WLTCモード燃費の約88%となる20.7km/Lもの実燃費を発揮してくれたのだから、やっぱり新型プレリュード、いいよね!! である。

 ちなみに、新型プレリュードのニューヨークで撮影されたテレビCMに、初代と3代目のプレリュードがこっそり登場しているの、知ってました?


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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