この記事をまとめると
■最近では物流業界にもコンプライアンスが叫ばれるようになった
■合法カスタムのトラックでも入場できない市場が存在する
■派手な車両はすべてNGにする判断は短略的すぎると叫ばれている
純正パーツでもダメってマジか……
景気がよかった昭和の時代では、物量に対してトラックの数が相対的に少なかった。そのため荒くれたドライバーや白ナンバー車でも堂々と荷物を運んでいたのだが、規制緩和によって運送会社が大幅に増えた。そして次第に景気が低迷するようになり、今度はトラックが余るようになった。そして荷主天下の時代が訪れ、ガラの悪いドライバーや白ナンバーのトラックは軒並み排除されるようになった。
さらには物流の世界でも企業コンプライアンスが叫ばれるようになり、なにかにつけて細かく制限されるようになった。そこに2024年問題が加わったことで、人手不足はより深刻なものとなっている。昭和の時代からの流れを簡単に列記すると、物流の世界はこのような流れを見せている。
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日本の文化であるデコトラがいなくなったと感じている人はたくさん存在するだろうが、それも時代の流れがそうさせているのだ。そしてデコトラ愛好家たちは、荷主や顧客を刺激しないようなシンプルで美しい架装へとシフトしているのである。
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この記事を執筆している筆者は、かつて大型トラックのハンドルを握っていた。デコトラと呼べるほどたいそうなものではないが、合法の範囲内で、自分好みのスタイルでトラックを飾っていたのだ。しかし、いくら合法的な改造であっても荷主や顧客からすれば関係ない。「代わりのトラックはいっぱいいる」という強みと周辺住民の目を気にするあまり、なにかにつけてクレームをつけてくるようになったのだ。この記事では、筆者や周辺のドライバーが実際に受けた、理不尽な出入り禁止処分について綴りたいと思う。
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経験上、もっともひどいと感じたのは、知人A氏の話。A氏はデコトラに興味をもっておらず、会社のトラックを託されたままの姿でハンドルを握っていた。もちろん、フルノーマル車である。しかし、とある大手企業に乗り付けたときに出入り禁止を通達されたという。その理由は、白色の車体に取り付けられたメッキパーツ。そのトラックはコーナーパネルとフロントグリルがメッキになっていたのだが、いずれもメーカー純正のスタイルだった。それなのに改造車とみなされてしまったのである。
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予定していた荷物を積むことができなくなったA氏は、慌てて所属する運送会社に連絡を入れたという。すると、電話対応した社長は大激怒。先方にクレームを入れてその荷物を積み込むことはできたものの、結果として取り引きはその一度きりで切られてしまったという。