この記事をまとめると
■三菱が欧州でエクリプスクロスを発売
■欧州のエクリプスクロスはルノーからOEM供給されるEVとなっている
■EVのエクリプスクロスは欧州向けであり日本市場導入の可能性は低い
EVのエクリプスクロスは日本のエクリプスクロスとは別モノ
「エクリプスクロス」のEVが出た。そう聞いて驚く人がいるかもしれない。三菱のEVといえば、日産「サクラ」と部品を共有する軽EVの「eKクロスEV」だけだと思っているからだろう。
三菱エクリプスクロスのフロントスタイリング画像はこちら
また、日本の登録車の電動化については「アウトランダーPHEV」で培ったプラグインハイブリッド技術を極めることを優先し、そうした知見が「エクリプスクロスPHEV」にも活かされていると考えるユーザーがほとんどだろう。
そこにいきなり、エクスプスクロスのEVといわれても……。
だが、改めて2023〜2025年の中期経営計画「チャレンジ2025」を確認すると、電動車強化第2フェーズに向けてアライアンスとの協業を強化すると記されている。
三菱の中長期計画「チャレンジ2025」のなかの商品投入スケジュール画像はこちら
グローバル市場を見ると、三菱が最優先するのは成長ドライバー(アセアン・オセアニア)で、次いでアセアン向け商品を最大限活用して事業展開をするレバレッジ地域(中南米・中東・アフリカ)、そして先進技術推進地域(日本・北米・欧州・中国)では、アライアンスとパートナーとの協業を強化するとしている。
そのうえで、欧州ではアライアンスBEV(バッテリーEV)を2025年度中に導入するというロードマップを示していた。これがルノー日産三菱アランアンスを活用した、ルノーと協業するエクリプスクロスのEVだ。
三菱は9月18日に日本語でプレスリリースを出しているが、ここでは欧州市場向けの新型電気自動車「エクリプスクロス」と表記。日本向けのエクリプスクロスPHEVに対するエクリプスクロスEVではなく、欧州でのエクリプスクロス自体がEVという解釈だ。
三菱エクリプスクロスのリヤスタイリング画像はこちら
欧州エクリプスクロスは、ルノーからのOEM供給だ。三菱とルノーとのアライアンスでは、これまでに「ASX」、「コルト」、「グランディス」がある。プラットフォームはルノーのCMF-EVを採用し、電池容量は87kWh。満充電での航続距離はWLTPモードで約600km。パワートレインの最高出力は160kWで最大トルクは300Nm。回生ブレーキは4段階で、ステアリングホイールに装着したパドルシフトで操作する。充電方法は、オプション設定では普通充電が最大22kWで、急速充電は最大150kWに対応する。このほか、電池容量を抑えたモデルを2026年内に発売を予定している。
エクリプスクロスのEVはあくまでも欧州市場向けであり、現時点で日本市場導入についての可能性は低いものと考えられる。