ディーラーの正月初売りってどんなところ? 長年初売り取材を続けているライターが「寝正月なんてもったいない」と語るワケ (2/2ページ)

お正月ならではのお買い得車も

 2026年1月のカレンダーをみると、4日が日曜日で5日が月曜日となっている。「この暦ならもしかしてほぼ全ディーラーで初売りやるのか?」と思いながら、ある地域の日系ディーラーで調べてみると、4日から初売りを行うのはスズキ、ダイハツ系のほかは日産系とホンダ系しかなかった。そしてこれらのディーラーに共通しているのが、6〜7日もしくは6日だけとなるが定休日として休みになっていた。

 年末に休みに入るタイミングも4日から初売りを始めるディーラーは、ほかのディーラーより店全体で早めに休みに入っているので、交代で年始に店を開けるのではなく全社一斉で4日から仕事始めとしているようであった。

 初売りのタイミングでディーラーをまわるようになってかなりの年月が経っているのだが、その経験からいくと、ダイハツはフリーの来店客よりも店からダイレクトメールを送って集客しているお得意様を大事にしているイメージが強い。フリーで店へ行くとちょっと嫌な気もちになることもあったが、スズキやホンダ、日産ではフリーでの来店客もウエルカムな雰囲気であり、お正月らしく豪華な来店記念品をもらうことができる(ダイハツはここ最近はくれなくなっている ※あくまで筆者の体験)。

 来場記念品が豪華なだけではなく、真剣に新車を買おうという人にも特典は大きい。ここのところ目立つのは、納車の早い特選車を用意していることだ。ここでいう特選車というのは、決まったボディカラーとオプションで先行発注するのではなく、完成車生産の順番を押さえてあるだけで、好きな仕様を発注できる優先生産枠のようなものがついた車両だ。

 車両価格からの値引きは、ここのところの製造原価の上昇もあり目立って拡大することはないようなのだが、オプション無料サービスなどが充実しているケースも多い。ディーラー側としては、お年玉特典やお年玉特価車を用意して、正月気分が抜けないうちに結論までもっていきたいということもあり、条件拡大もスピード感をもって進んでいくのも、初売りの特徴といえるだろう。

 新車販売はゲンを担ぐ傾向が強く、年の初めに好調に受注することでその年の販売活動に弾みをもたせたいという面もあるので、平常時では提示されにくいようなお得な購入条件などが出てくることも、十分期待できる。

 寝正月を予定している人は、社会復帰(仕事始め)のリハビリがてらディーラーの初売りに出かけると、思いもよらないいい買い物ができるかもしれない、それが初売りなのである。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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