すべてのスポーツカー好きがひれ伏す「スピードスター」の名! どのメーカーのモデルも伝説になるスピードスターの魔力 (2/2ページ)

スピードスターの名はどのブランドにとっても特別

 たとえば1947年に創業したフェラーリは、それから長い期間にわたってレースにもそのまま参戦できる、コンパクトなフロントウインドウを特徴とするオープンボディのスポーツプロトタイプを数多く製作してきたし、そのデザイン(イタリアではそれはバルケッタとも呼ばれる)をモチーフに、現代の最新技術を用いて圧倒的な高性能を実現した「Icona」シリーズの第1弾、第2弾モデル、「モンツァSP1」「モンツァSP2」を、特別なカスタマーのための限定車として2018年に発表。大きな話題となったことは記憶に新しい。

 メルセデス・ベンツSLRシリーズの最終モデルとなった2009年発表の「SLRスターリング・モス」や、アストンマーティンが創立100周年を記念して2013年に製作した「CC100」、あるいは2019年にデビューしたマクラーレンのアルティメットシリーズでは、第4作目にあたる「エルバ」、2024年にランボルギーニがワンオフで製作した「SC20」なども(同社は2012年にもやはりワンオフのアヴェンタドールJを発表している)、スピードスターのコンセプトを究極的に解釈した例といえるだろう。

 卓越した運動性能とドライビングファン(走る楽しさ)を実現するためのストイックなまでのクルマ作り。それはスピードスターのコンセプトを継承したモデルに共通する。

 オペルが2001年から2005年まで販売した「スピードスター」や、ロータスによって2007年から2011年まで生産されていた「2-イレブン」、そしてその後継車として2017年から2020年まで送り出された「3-イレブン」(その最終型はさらに高性能な「430」だった)なども、スピードスターの精神を、21世紀に確かに継承したモデルの例だったと思う。

 さらに変わり種として、ここで個人的にその名前をあげておきたいのは、かつてファースト・ジェネレーションのスマートに2002年から2006年まで設定されていた「クロスブレード」も忘れられない1台だ。

 その走りが生み出す爽快感はまさに特別な感覚。これもまたスピードスターのひとつのカタチであるといってもよいのではないだろうか。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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