コストパフォーマンスは相変わらず抜群
しかし、ステアリングフィールにはやや曖昧さが残る。電動アシストの特性が前面に出ているため、ステアリングセンターのニュートラル付近でのレスポンスが柔らかく、ラバーフィールが感じられてキビキビした印象は乏しい。また、コーナリング初期の応答は自然だが、切り込み速度が上がると重さを感じる場面がある。これは、標準装着された中国ブランドの専用タイヤの特性も影響していると考えられ、もう少しシャープさがあれば走りの印象はさらに引き締まるだろう。
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ブレーキフィールは電動システムの回生と油圧ブレーキを組み合わせたものだが、回生制御を優先させすぎないセッティングとなっており、アクセルオフから制動に移る際はコースティング感が強い。ワンペダルブレーキ制御には切り替えができず、アクセルとブレーキの踏み替えがやや気になる場面もあった。
また、ブレーキペダルフィーリングは柔らかく、ペダルストロークが大きいためダイレクト感が乏しい。とくに山道のような連続コーナーでは、もっと強い回生制動が働くモードがあればドライバビリティと制動安定性は向上するだろう。
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室内空間は広く、後席は十分な足もとスペースとリクライニング機能を備え、長時間のドライブでも快適性を維持する。センターに配置された大型15.6インチタッチモニターは情報量が豊富で先進感を演出するが、表示される文字がやや小さいため、視認性には改善の余地がある。
また、メーターパネルの表示も白背景ベースで視認性は良好だが、EV/HEV表示など重要情報の表示が小さく、瞬間的な判別がしにくい。走行中のメーター視認性という面では今後の改善が求められるところだろう。
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インテリアの質感については、ダッシュボードからセンターコンソールまでソフトパッドやステッチ入り素材を多用し、高級感を演出。シートはツートーンカラーでステッチ入りの立体的なセミバケット形状となっており、プレミアムSUVにも匹敵する高級感が感じられる仕上がりだ。
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前輪駆動モデルのWLTCモード燃費は22.4km/Lと優れた燃費性能を誇る。バッテリー満充電+60リッターの燃料タンク満タンでは、計算上はトータルでの航続距離が場合によっては約1200kmに達するというデータが示されており、BEVの弱点であるEV航続距離だけでなく長距離ドライブ時の安心感も高いのがこのクルマの特徴だ。
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ドライブモードはノーマルを基準にエコ、スポーツ、スノーなどが用意されるが、一般道での通常走行では大きな変化は感じられず、基本的にはノーマル設定で十分な性能を引き出せる設定に感じた。
価格は試乗した前輪駆動モデルで約398万2000円、のちに追加される予定の四輪駆動モデルが約448万8000円と、欧州勢や国産同クラスPHEVと比べても非常に競争力の高い設定となっている。これだけの動力性能、航続距離、装備内容を兼ね備えながらこの価格帯での登場は国内マーケットを破滅的に震撼させる威力がある。この価格に補助金も加わると……と想像するだけで、国産メーカーは脅威に感じているだろう。
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