見えない経年劣化が安全性を左右する
ところで、「手で触れてみてまだ柔らかさが残っているのに、劣化しているというのはなぜ?」という疑問が湧いた人もいるでしょう。
これは目に見えないミクロな部分で劣化が進行しているためです。タイヤの性能は弾力だけで発揮されているわけではありません。前述の耐候性や耐摩耗性、耐熱性、そしてグリップ力を生み出す適度な弾力と強度など、その要因は多岐にわたっています。それらはゴムにさまざまな添加剤などを加えて改質させることで、狙った性能になるように仕上げられています。
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それらの添加剤の効果は、フレッシュなうちはゴム質と結びついて効果を発揮していますが、経年でしだいに結びつきが弱くなり、働きが弱くなっていきます。
また、ゴム質自体の劣化も進みます。よく「油分が抜けていく」といわれているのがそれで、表面が白っぽくなってツヤがなくなり、さらに進むとヒビ割れが発生します。これが、タイヤの骨格となっているカーカスなどのコード部分にまで進むと、コードの劣化が始まって強度への影響が出たり、微細なヒビ割れを伝って少しずつエアが抜けるスローパンク状態も起きてきます。
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ここまで劣化が進むと、最悪の場合高速走行時にバースト(破裂)が起こる可能性が高くなるので、早急に交換したほうがいいでしょう。
タイヤ製造時期を確認する方法を紹介しておきましょう。タイヤのサイドウォールの部分には、銘柄やサイズなどのいろいろな情報が刻まれていますが、そのなかで横長の長円のスペース(メーカーによって形状が異なる場合あり)を探してみましょう、そこに刻印されている数字とアルファベットが組み合わされたコードが製造年月を表しています。これは世界各国共通で定められた決まりによるものなので、必ずあるはずです。
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このコードのうち、数字部分の最初の2ケタが「製造週」で、続く下2ケタが「製造年」を表しています。製造「週」とは聞き慣れない言葉ですが、たとえば「2524」と刻印されている場合、2024年の第25週(7月の第2週)に製造されたものとなります。
万が一にも自分のクルマが事故の原因にならないよう、製造時期を確認して、5年以上が経過している場合は専門家に状態をチェックしてもらい、10年近い、あるいは過ぎている場合はスッパリと割り切って交換することをお勧めします。