4WDマイスターが語る新型デリカD:5の進化! S-AWCの採用で無敵っぷりにさらに磨きがかかった (2/2ページ)

ライバル不在! 唯一無二の4WDミニバン

 インテリアに目を向けると、8インチカラー液晶ディスプレイメーターの採用が大きな進化点だ。車両情報の視認性を高めるだけでなく、S-AWCの作動状況やドライブモードの選択状態を直感的に把握できる表示構成が与えられている。これは単なるデジタル化ではなく、複雑化する車両制御をドライバーに分かりやすく伝えるための重要なインターフェースとなっているのである。

 センターコンソール周辺の操作系も整理され、ドライブモードセレクターを含め、視線移動と操作負担の低減が図られている。さらに、USB Type-C端子の追加など、日常使用における利便性も着実に向上させている点は、実用車としての完成度を高める要素となっている。安全技術面では、三菱e-Assistの強化が図られた。衝突被害軽減ブレーキシステムは、夜間の歩行者検知性能を向上させ、交差点での検知領域も拡大された。

 さらに、車線逸脱警報や前方車両検知機能などが協調することで、ドライバーの認知・判断・操作を多層的に支援する構成となっている。これらはS-AWCと同様、個別機能ではなくシステム全体として安全性を高める思想に基づいている。

 新型デリカD:5は、単なる外観変更や装備追加にとどまらない。ミニバンとしての実用性を維持しながら、本格SUVに匹敵する走破性と安定性を、電子制御とシャシー制御の融合によって実現している点に、その本質的な価値がある。デリカという車名がもつ「道を選ばない移動手段」という思想を、現代の技術で再定義した1台である。

 基本的なプラットフォームは2007年に登場した当時のモデルを継承。18年にわたって進化を繰り返すパターンは国産車にほとんど前例がなく、骨格構造と呼ばれた車体構造が登場初期から高い剛性と実用性を提供していた。

 クリーンディーゼルエンジンの搭載やデュアルピニオン電動パワーステアリング、8速ATに電子制御トランスファーを常時4WD状態に保つフルタイム4WD制御なども進化の過程で身につけた。新型の走りも多くのファンを魅了するに違いない。試乗する機会を楽しみにしている。


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中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
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