限定車でなくとも1億円近い価値に
そう。このクルマ、じつは先述のNISMOによるCRSプログラムをフルコースで投入した1台なのだ。履歴を辿るとこのクルマは2021年にCRSプランを予約し、2023年に順番がまわってきたという個体で、もともとは1オーナーだったらしい。予約を入れたのは愛知県のショップで、そのときの走行距離は3万6000キロ程度。前オーナーもほとんど乗っていなかったようだ。
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なお、CRSプランを受けたあとは36kmほどしか走っておらず、ほぼ新車同然の状態。おそらくオークションに出品するか、イベントで展示するかなど、あらかた役割を決めて製作依頼をしたと思われる。
中身に関しては誰もが羨む内容のフルコースといった具合で、手が入っていないところはないといえるほど。たとえば心臓部であるエンジンはRB26DETTをベースにNISMOがN1ブロックを使用して(通常のブロックより強度がある)2.7リッター化。R3タービンを採用してNISMOのコンピュータによって6800回転で460馬力以上を発生させる。チューニングカーとして考えるならやや控えめだが、CRSのコンセプトにはぴったりマッチする大人の快速マシンといった感じだろう。
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吸排気もNISMOで、補強関係ももちろんNISMOパーツで統一。足まわりはオーリンズの車高調キットDFV2WAY、R35GT-Rの純正ブレンボブレーキを前後に装着。インテリアにもNSIMOパーツを取り入れ、派手さはないものの、質実剛健な雰囲気となっている点も見逃せない。
エクステリアもNISMOのカーボン製パーツが奢られており、人気パーツのひとつであるZ-Tuneフェンダーも取り付けられている。フェンダーに貼られた「Omori Factory」のロゴも誇らしい。
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「俺が考えた最強のR34GT-R」というのに相応しい1台といっても過言ではないだろう。
これらのチューニングとパーツの取り付けを、すベてNISMOの大森ファクトリーで施工しているところも、このクルマの価値を引き上げるポイントだ。出品車両には、保証書や説明書などがすべて付属するほか、これも海外のファンにはたまらない、もともと取り付けられていた尾張小牧のナンバープレートも付属する(加工済み)。このクルマが日本にあったことを証明する、海外の人にとっては重要なアイテムだ。
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さて、この究極のR34GT-Rだが、落札価格は予想額を下まわったものの、62万5000ドル(日本円で約9237万円 ※当時のレート)であったという。なお、このブラックパールメタリックのCRS仕様は現段階だと世界に1台なんだそう。
CRS仕様でフルオーダーすると凄まじい金額になるというが、自身のクルマをリフレッシュすると1億円に化ける可能性があると考えると、なんとも夢のある話である。ただ、今日本国内でお金が欲しいがために愛車のR34GT-R売るようなユーザーは、もうほとんど残っていないと思うが……。
にしてもR34GT-R、恐るべし。