地味なトラックに要注意
トラックドライバーAが次に語ったのは、危険なトラックの見わけ方だ。
冒頭でドライブレコーダーの話をしたが、たしかに、たまにとんでもない運転をするトラックが映っており、一歩間違えば死人が出るような大事故になりそうな映像もある。トラックはたとえ空荷でも質量が大きいので、一瞬で凶器になる。
トラックドライバーA氏は、「私は○○○という会社でドライバーをしているのと、最近はやれコンプライアンスだのなんだのでいろいろ厳しいので、運転前のアルコールチェックは当然として、睡眠時間だの健康状態だの、しょっちゅうチェックされるんです。何十年もこの仕事をしていて、ずいぶん様変わりしたもんですよ」と語る。
アルコールチェッカーのイメージ画像はこちら
「まあ今の世の中、こんな会社ばかりだと思います。事故になったら大事件、即ネットで晒されますからね。ただ、めちゃめちゃヤバいトラックがまだまだいるのも事実です」と続けた。
「じゃあ危険なトラックってなんぞや?」と聞くと、「無地のトラックです」とトラックドライバーAは言い切る。
黒い猫がトレードマークの運送会社や、飛脚の絵でお馴染みだった青系の運送会社は相当ドライバー教育に力を入れているそうで、もちろん人によるところもあるが、「なんだよこいつ!」みたいな運転をする人はかなり少ないそう。そのほかの運送会社でも、会社の看板を背負っている以上、ならず者のような運転をする人は減ったと、トラックドライバーAは語る。
トラックのイメージ画像はこちら
なんかあればすぐSNSで晒され、内容次第では会社の評判はガタ落ち、ナンバーも見えていれば、当日乗っていたドライバーもわかるので、場合によっては会社から処分が下るだろう。なんならバックドアに、名前がフリー素材のごとく、「今日のドライバーは○○○○です。安全運転に努めます」と貼られている場合すらある。たしかに、ヤバい運転は普通の思考を持っていたらしにくい環境だ。
トラックのイメージ画像はこちら
一方で無地のトラックは、煽り運転をしようが強引な割り込みをしようが、ナンバーはわかるが会社名がわからない。文句をいうにも晒すにも、「ヤバいトラックがいる!」でおしまい。つまり、トラック側からすれば、「どうせバレない」の思考で、やりたい放題ともいえる。考えてみれば納得だが……。トラックドライバーA氏以外のトラックドライバーにも後日聞いてみたら、同じような返事が返ってきたので、トラックドライバーの間でも、無地のトラックはヤバい認定を受ける傾向にあるようだ。
トラックのイメージ画像はこちら
もちろん、全部が全部悪いドライバーでないのは当然として、無茶な運転を繰り返す無地のトラックは、注意したほうがよさそうだ。なお、次点でヤバいのが、ピラーに社名が書かれたトラック。こちらもほぼ無地で、横に並ばないと社名がわからないので、ならず者が多いそう。トラックドライバーA氏は最後に、「奴らはなんも背負ってるものがないから、そういう運転ができるんですよ。では」と捨て台詞を吐いて、電話を切った。
トラック業界に30年ほど身を置くと語るトラックドライバーA氏が語る、トラックの運転マナー問題。ほんの一例かもしれないが、運転マナーに関して改めて考えさせられる電話であった。