回収した使用済みオイルを再精製して配合するレーシングオイルを発表! Moty’sの新製品が日本のオイルの未来を変える!! (2/2ページ)

「オイルの循環」を実現して未来に繋げる

 そして、トライボジャパンの開発責任者であり、工学博士でもある佐藤剛久氏によって、新製品の技術説明が行われた。RRBOとは、再精製基油(Re-Refined Base Oil)の略称で、回収した使用済み潤滑油を再精製したベースオイルのことだ。佐藤氏は、「回収した潤滑油を単にろ過して使うものではなく、原油と同等の工程を経て蒸留・精製し、エンジンオイルのベースオイルとして適した成分だけを抽出して作られている」と説明した。

RRBOオイルのイメージ

 RRBOオイルは、原油と同等の工程で蒸留・精製を行い、エンジンオイルに適した成分だけを抽出して作られているため、原油から作られるバージンベースオイルと性能的に遜色はないという。そして、生成時の温室効果ガスを減らすだけでなく、オイルの循環サイクルが可能となることにおいて、非常に意義深いプロジェクトなのだ。

 欧州では、ラインアップの半数以上のオイルにRRBOを使用するメーカーも現れており、すでに欧州自動車メーカーでは新車の工場充填オイルにRRBOが使われはじめているが、日本国内ではほとんど知られていないのが現状である。それもそのはずで、日本では使用済み潤滑油の回収は進んでいるものの、回収されたオイルのじつに93%が燃料とされており、RRBOとしての使用率は0%。米国で35%、欧州では50%以上がRRBOとして再利用されていることも鑑みると、現状の日本はRRBOの分野で大きく遅れを取っているといえる。

 Moty’sのRRBOへの挑戦については、安全性や耐久性を求められる実験の場として、モータースポーツが起点とされる。佐藤氏は、今回製品化されたモータースポーツ対応オイル「M110」と「M110LSPI」について、RRBOに合わせた添加剤を独自に処方し、これまでのオイルと遜色ない性能を確認した上で製品化したと説明した。

佐藤氏による解説

 最後に、海外パートナー企業としてマレーシアのペンタスフローラ社が、プロモーションビデオの上映によって紹介された。日本国内では、回収した潤滑油を回収しRRBOを製造する環境も設備も整っていないため、マレーシア最大級の総合廃棄物管理企業であるペンタスフローラ社と協力し、RRBOの輸入を開始したという経緯を説明。

 その後ペンタスフローラ社のリム・エック・フウ代表が登壇し、「環境意識の高い日本において、RRBOは社会と産業の双方に貢献し、持続可能な社会の実現に向けて重要な役割を果たすだろう」と自信を伺わせた。

ペンタスフローラ社

 最後に、将来的には国内で回収した潤滑油からRRBOの製造まで行う、オイルの循環型社会の構築をMoty’sが目指していることが語られた。日本で回収された潤滑油は、定められた距離や期間でオイル交換する人が多いため、諸外国に比べてクオリティが高いと評価されている。この高品質な回収潤滑油を再生素材として活用することで、高度な再精製・再生利用が実現できる可能性が高いという。

 バージンオイルは原油から燃料を製造するなかで連産品として製造されているが、自動車の電動化が進み燃料の消費が抑えられると、バージンオイルの製造量も縮小していくことが予想される。回収した潤滑油をRRBOとして再利用するサイクルは、オイルの安定供給の面からも不可避となるだろう。「性能のために環境を犠牲にしない」という理念を実用性として成立させることが、Moty’sの新たな目標となる。

Moty'sのRRBOオイル

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