再びFRへと回帰したフェラーリのフラッグシップ! 575Mマラネロは「V12のライバル」ランボ&アストンへの強烈なメッセージだった【21世紀スーパーカーFILE #012】 (2/2ページ)

ライバルに対抗するために進化したFRクーペ

 フェラーリが550マラネロを575Mマラネロに進化させた理由、それはもちろんライバル社の動向を強く意識した結果だった。その前年、すなわち2001年にはランボルギーニは10年以上もの沈黙の時間を破って、完全な新型車となる「ムルシエラゴ」を発表。アストンマーティンも「ヴァンキッシュ」でスーパーカーの市場における存在感を強めていた。

 フェラーリにとって575Mマラネロは、21世紀においてもスーパーカーのベストブランドであることを主張するためにきわめて重要な商品だったのだ。

 575Mマラネロというニューモデルがもつセールスポイントは、そのすべてが車名に表現されている。Mとはイタリア語でモディフィカータ、すなわち改良を意味する言葉で、それはエクステリアのディテールの手直しに始まっている。

 インテリアではクロームリングを配することで、よりコンペティティブな趣を強めたメーター類、あるいは新デザインのステアリングホイールなどにも表れている。

 実際に575Mマラネロのコクピットに収まったカスタマーは、550マラネロからの進化を一瞬で理解しただろう。

 だが、さらに重要な進化はフロントに搭載されるV型12気筒エンジンにあった。550マラネロ用のエンジンからストロークを2mm延長し、正確には5748ccの排気量を得るとともに圧縮比を11.0にまで高め、さらに最新のボッシュ製モトロニック、M732と組み合わせた。

 これにより515馬力の最高出力と588Nmの最大トルクを得た575Mマラネロは、最高速で325km/hを達成。前後の重量配分を最適化するためにリヤに配置されるミッションは、550マラネロからの6速MTのほか、6速セミAT(F1マチック)も新設定されることになった。

 ちなみに575Mマラネロのファミリーには、2005年に「GTCハンドリングパッケージ」や、リトラクタブル・ハードトップをもつ599台の限定車、「スーパーアメリカ」も加わるが、2006年までにトータルで2056台が生産された575Mマラネロファミリーのなかで、3ペダルの6速MTをもつモデルは、わずかに246台を数えるのみ。現在ではその希少性にも注目が集まっている。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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