この記事をまとめると
■約1億2500万人が視聴した「第60回スーパーボウル」のCM枠は30秒で約11億円
■キャデラックが第60回スーパーボウルで1分間のCMを放映しF1マシンのリバリーを公開
■キャデラックはこの1分間のために約30億円を投じたといわれている
キャデラックの決意が伝わってきたスーパーボウルのCM
アメリカンフットボールのプロリーグであるNFL。そのシーズンチャンピオンを決定する一戦「スーパーボウル」が、2026年2月8日(現地時間)、カリフォルニア州サンタクララで開催された。
スーパーボウルといえば、それはアメリカでもっとも多くの人が視聴するテレビ番組とされる一大イベントだ。キックオフの時間になるとアメリカの街から人が消えるとまでいわれるほどであり、その影響力は計り知れない。今大会の全米平均視聴者数は約1億2500万人に達したとされており、これは日本でいったら全国民がそのゲームを観ているようなものだ。それほどの注目度を誇るだけに、CM枠の価格も桁違い。2026年の広告料金は30秒あたり約870万ドル(約10億8000万円)前後と報じられている。
そんな超高額の広告枠を購入し、1分間のCMを放映した自動車メーカーがある。それがキャデラックだ。キャデラックはこの時間を使い、F1参戦マシンのカラーリングを世界にむけて公開。3月に開幕するF1への初参戦を、アメリカ最大級のスポーツイベントで大々的にアピールしたのだ。
キャデラックF1マシンのフロントスタイリング画像はこちら
CMは一見すると抽象的な構成だ。ジョン・F・ケネディ元米大統領による有名な演説「We choose to go to the Moon(我々は月へ行くことを選んだ)」をBGMに、チームスタッフがF1マシンを作る様子を追ったもの。
そして、クライマックスで公開された2026年型キャデラックF1マシンのリバリーは、従来のF1マシンに多い左右対称デザインとは一線を画すものだった。キャデラックは、高い視認性とブランド表現を重視した非対称2トーンカラーを採用。左側がグレーからホワイトに、右側がブラックを基調とした大胆な配色で、これは、白でモダンさを、黒で力強さを表現。これは、「アメリカンブランドの美学」を前面に押し出したデザインだという。
キャデラックF1マシンのサイドビュー画像はこちら
通常、F1マシンのカラーリング発表といえば、チーム公式サイトやF1開幕直前のメディアイベントで行われることが多く、その主な対象はモータースポーツファンだ。しかしキャデラックは、あえて世界最大級の一般向けスポーツイベントであるスーパーボウルを選択。F1ファンだけでなく、これまでモータースポーツに触れる機会の少なかった層にまでその存在感をアピールする戦略をとった。
前述のとおり、スーパーボウルのCM料金は30秒で約11億円。単純計算で1分なら約22億円に達する。制作費なども含めれば、今回のプロモーションに投じられた費用は総額約30億円規模ともいわれている。果たしてこの巨額投資は吉と出るのか。その答えは、F1の2026年シーズンが幕を下ろすころ、アメリカでどれだけF1が人気を得ているかで答え合わせできるかもしれない。