この記事をまとめると ■大音響で街なかを走る派手なトラックというイメージが強いアドトラック
■トラックやバスなどの大型車両に広告を掲載して街なかを走れば大きな広告効果が得られる
■アドトラックは新たな活用法が模索されており無限の可能性を秘めている
地域活性化に貢献するアドトラックが登場 アドトラックというと、あまりいい印象をもっていない人が多いかもしれない。とくに都市部の繁華街では、派手な広告に大きな音量の耳に残る音楽をかけながら、風俗系の求人を宣伝する車両が走っており、それが市民からの苦情になっていることもあるという。また、広告内容を目立たせるために多くの明るい照明や、ディスプレイなどを使用していることも問題視されていようだ。
もともと自動車のボディは平面部分が多く、考えようによっては大きな走るキャンバスといえないこともない。事業者が所有する営業車やトラックなどには社名や商品名が書かれていることも多いし、路線バスではボディに企業の広告がラッピングされている車両が増えた。デコトラも荷台にアート、ボディ全体には電飾というように車両を飾り立てており、街なかを走れば衆目を集めている。
都市部を走るアドトラック 画像はこちら
いずれも、広告効果やパフォーマンスを狙ったもので、相応の効果が期待できる。こういったことからも明らかなように、トラックやバスなどの大型車両に広告を掲載して街なかを走れば、大きな広告効果が得られるのは実証されているといってよい。アドトラックの登場は必然的なものであったといえよう。
ただ、前述のとおりやかましく派手な風俗系の広告をする車両が悪目立ちをし、東京をはじめとする自治体で規制の対象になってしまったのだ。これらの規制は基本的に環境問題の視点に立つものだが、広告に使用される灯火類は道路運送車両法の規制にも抵触しかねない。いまのところは電球やLEDをひとつひとつでみた場合には、灯火規制をクリアしているという主張がされているようだが、市民の苦情が増えればそういった理屈が通らなくなる可能性も否定できないのだ。
しかしアドトラックは、うまく使えば新たなマーケティング手法として、大きな可能性を秘めているといってよい。具体的な例としては、2025年11月30日~12月6日まで沖縄で活動したアドトラックがそうだ。この車両は、ビジネスカンファレンス「ASTEEDA Executive Salon 2025 in OKINAWA」の認知・集客訴求と、会場内でのパブリックヴィジョンとしての活用、プロ卓球チーム「琉球アスティーダ」のホーム戦告知訴求を実施した。
このように、アドトラックはクライアントのニーズに合わせてターゲットを絞り込み、それに応じたエリアに限定して効果的な訴求を行うことができる。ニーズが多様化した現代社会では、こういったターゲットの絞り込みが効率的な告知につながってくるのだ。また、音や映像を使用することでそのインパクトは大きくなり、人々の記憶に強く残ることになる。
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それだけではない。トラックに搭載したカメラで広告を見ている人の状況を捉え、その反応を分析するなどといったことも考えられているのだ。これにAIを組み合わせれば、広告を見た人の性別・年代・視認時間なども把握できるようになる。カメラやAIがなかったとしても、アドトラックが走行した地域の近隣施設利用者数・人流データ・スマートフォン基地局情報などに想定視認率をかければ、トラックの横を通過した人数を推定することができる。
このように、アドトラックは新たな広告媒体として無限の可能性を秘めている。風俗系の宣伝だけで埋もれさせるのは、いかにも惜しい存在なのである。