復活後はSUVやEVにも展開
こうして北米で復活した「タイプS」は、徐々にそのラインアップを拡大していく。
「TLXタイプS」のデビューから間もない2021年8月には、2代目「NSX」の最終モデルとして「NSXタイプS」を発表。3.5リッターV6ターボエンジンと3モーターハイブリッド「スポーツハイブリッドSH-AWD」ともに強化され、システム最高出力は従来の581馬力から610馬力、システム最大トルクは646Nmから667Nmにアップしたほか、ハンドリングを旋回性重視にセッティングし直すなど、全方位的に性能が高められた。このモデルは全世界350台限定で発売され、日本にも30台が導入されたため、多くの読者が詳しく知るところだろう。
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2022年3月には、前年の2021年1月に4代目へ世代交代したラージサイズSUV「MDX」に「タイプS」を追加。「TLXタイプS」と同様にフロント・ダブルウイッシュボーン式/リヤ・マルチリンク式サスペンションを採用する新開発のプラットフォームに、「TLXタイプS」と同じ「タイプSターボV6」と強化版10速AT、「SH-AWD」を搭載した。
その一方で、シャシーには電子制御ダンパーとエアサスペンションを組み合わせることで、走行状況に応じて減衰力と車高を自動で調整可能としている。
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そして、「ILX」の後継車として2022年5月にデビューした「インテグラ」にも、2023年6月に「タイプS」が追加される。こちらは内外装の仕立てや足まわりのセッティングがやや控えめになることを除けば、現行11代目「シビックタイプR」のアキュラ版といえるもの。2026年1月の東京オートサロンに参考出品され、日本導入の可能性も示唆されているだけに、今後ますます要注目なのは間違いない。
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なお、GMと共同開発された全電動ミドルラージSUV「ZDX」には、2023年8月のデビュー当時から「タイプS」を設定。こちらは前後にモーターを搭載しトータル506馬力と738Nmを叩き出すうえ、前後マルチリンク式サスペンションには電子制御ダンパーとエアサスペンションを組み合わせ、6ポットのブレンボ製フロントブレーキユニットを採用するなど、「タイプS」の名にふさわしいトータルチューニングが施されていた。
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しかし、そんなアキュラのタイプSも、「TLX」と「ZDX」のベース車自体がともに2025年で生産終了となったため、いまや「MDX」と「インテグラ」の2車種を残すのみとなっている。
筆者個人としては、「インテグラタイプS」もさることながら、「MDXタイプS」も日本へ導入してもらい、「タイプSターボV6」の走りを日本の公道で堪能したいと願わずにはいられない。