ほぼ文句のない完成度に脱帽
続いて制限速度120km/hの高速道路(東関道)に入る。ドシリとした直進性のよさ、安心感、安定感のよさもさることながら、合流加速、80km/hから120km/hまで一気に加速するシーンでさえ、モーターからのノイズ、振動(先代比-10dB)はほぼなく、強烈な加速を静かなまま体感できたのには本当に驚かされた。多くの電気自動車は、そうしたシーンではそれなりのモーターノイズ、振動が伴うものなのである。また、高速レーンチェンジ時の穏やかにして確実な身のこなしにも好感と安心感がもてる。もちろん、乗り心地は高速域でも快適そのもの。フラットでジョイントの乗り越えもじつにスムースにこなしてくれるのだった。TVCMじゃないけれど、「すごくいい、相当いい」の感動ポイントである。
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高速走行中にはオプション装着となる最新のプロパイロット2.0も体験。減速、追従加速は一段とスムースになり、レーンキープ性能の高さにも納得できた。全車速域対応のハンズオフドライブでは、ステアリングから手を離しての運転が可能になるわけだが、じつは、ドライバーが運転中、ステアリングはシート、シートベルトとともに体を支えるのに不可欠。そのステアリングから手を離していると、運転姿勢が不安定になるのだが、進化した新型リーフ、プロパイロット2.0ではより安定したレーンキープ性能と、車体の横揺れを抑えるチューニングによって、安心、快適にハンズオフドライブを堪能することができた。
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感動ポイントの最後は、道路から試乗会場のホテルの敷地に入る段差を踏み越えたときだった。往路はホテルの敷地から道路へ”タン”と降りる(タイヤが落ちる)際のショックのなさに感動したものだが、ここでは出発時とは逆に、道路から一段高いホテル敷地路面にアクセスする。そこでも段差部分にカーペットが敷かれているかのような、スッとしなやかに乗り越えるマナーのよさを示してくれたのである。繰り返しになるけれど、乗り心地、走りやすさに関してはあらゆるシーン、速度域で感動に値するといっていい。もはや電気自動車としてではなく、1台のクルマとしての完成度の高さを実感できるというものだ。
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ところで、新型リーフの静かな走行性能に一役買っているのが、オプションとして新採用された「フレキシブルラゲッジボード」だ。日産が素材メーカーと共同開発した、特許取得のハニカム素材の薄く軽いボードで、ラゲッジルームへの装着で、リヤから入ってくるロードノイズを吸音してくれるのだ。カタログなど、どこにも書かれていないが、こだわりのアイテムである。
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ここからは多くの”感動、納得ポイント”とは逆の、”ここはなぁー”といっておきたい要改善ポイントについて報告したい。
まずは、インパネ中央下に配置されるシフトボタン、ドライブモードスイッチについてだ。運転始め、運転終わりに押す機会があるシフトボタンは、その位置関係から、操作する際に視線を落とす必要があり、なおかつ個人的な印象だが、先進感、上質感ある室内全体の仕立てからすると、樹脂そのもののデザイン、質感であり、ちょっと素っ気ない。
そこで、AIを使って7つ並ぶスイッチにシルバーのフレームを付けてみた。こんなドレスアップバーツが出てきそうなぐらい、デザイン性、質感が高まったように思えるのだが、いかがだろうか。また、D-MODEスイッチが小さく、操作性にはやや不満が残るのも気になる点だ。とくに手袋をしているとそう感じるはずだが、B5(S)グレードを除いてステアリングヒーターが標準装備されるから、余計な心配かも知れないが……。
※画像はAI加工したもの
そして、昨年のプロトタイプ試乗時に気になった、高速域(80km/h以上だろうか)でフロントサイドウインドウ前端から発生する風切り音はどうなったかといえば、運転席側、助手席側、また試乗車両によっても印象は変わるのだが、完全に解消されたわけではなかった。リアルワールドでも発揮されるモーターノイズ、ロードノイズの抑え込みが素晴らしいため、なおさら、耳に近いそこだけが気になってしまうのだが、そこが改善されれば、新型リーフの電気自動車としての静かすぎる走行性能=商品力は、さらに高まると思える。開発陣に聞けば、フロントサイドウインドウ前端のゴムモールの精度によるものらしく、原因はわかっているわけで、早期の改善を望みたいところだ。
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ところで、試乗途中の高速SAでは急速充電も体験。この日は外気温10度を下まわる寒さだったが、概報のヒートポンプ式のエアコン、最新のエネルギーマネージメント、バッテリーウォーマー機能によって50kWまで受け入れてくれる充電性能をもっているというから心強い。
こうして新型リーフを一般道、クネクネした田舎道、最高速度120km/h制限の高速道路で試乗したわけだが、全体的な完成度は極めて高く、内外装のデザイン性にも優れ(エクステリアは素直にカッコいいと思える)、全グレードで2026年1~3月の国からの補助金が129万円に引き上げられ、国だけの補助金を差し引いた実質負担金額はB7(G)約471万円、B7(X)約390万円、B5(X)約345万円、B5(G)約436万円となる。
とくにB5(X)のコストパフォーマンス(B7(G)とB5(G)の価格差約35万円に対してB7(X)とB5(X)の価格差は45万円)、B7(X)のWLTCモード702kmという一充電走行距離の長さは、先代リーフe+を含むユーザーからの乗り換え、そして、これまで電気自動車に躊躇していたユーザーも心を動かされるに違いないと思えるほどだ(依然、ガソリンターボに乗る筆者も)。
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それにしてもグレード選びは悩ましい。19インチタイヤ、3DホログラムLEDリヤコンビランプ(内側が2枠、外側が3枠で2-3=日産!?)、回生ブレーキコントロールパドルなどが標準装備される最上級グレード、フル装備のB7(G)も魅力的だが、一充電走行距離が702kmともっとも長いB7(X)もロングドライブ派には最適だろう。しかし、普段使い、街乗りメインというならB5(X)のコストパフォーマンスも捨てがたい……。なお、全高に関しては、プロパイロット2.0を装着すると1550mmから1565mmになる。
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いずれにしても、Google搭載の日産コネクトインフォテイメントシステムは絶対便利だから、それが装備されないB5(S)は除いての選択になるはずだ。ちなみに現時点での売れ筋グレードはなるほど、Xとのことだ。
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