内容は文句なしだが価格が課題か
そのスタイリングは、最新のVWのデザインテーマに沿った、商用車に源流をもつモデルらしからぬ乗用車然としたものとなる。2トーンのボディカラーも設定され、ポップな雰囲気を盛り立てる。インテリアのフィニッシュもかなり質感高く、ゴルフと同等のクオリティは期待できそうなところ。ここはグランカングーに大きく水を開けるポイントだ。
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室内の実用性も極めて高い。7人乗りが標準で、後部5席は多様な配置が可能だ。2列目と3列目を向かい合わせに配置することもできるし、全席を取り外すこともできる。輸入車のこの手のモデルには珍しく、電動スライドドアが選択できることも見逃せない。
後席装備も充実している。オプションのマルチファンクションテーブルは、3列目から前席の間まで前後にスライド可能で、車内をまるでリビングのように使うことができる。収納スペースは至る所に配置され、USBポート4つが備わるなど、国産ミニバンに迫るユーティリティ機能をもっているといえるだろう。
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パワートレインについても、2リッター4気筒ディーゼルターボに加え、「eハイブリッド」と呼ばれる2モーター+エンジンのPHEVシステムも設定されるなど、他社ミニバンに類を見ない独自の魅力を備えている。
最後に日本への正式導入についてだが、現時点ではまったくもってアナウンスされていない。仮に導入される時が来たとして、その価格についてもそれなりに厳しいところがあるだろう、というのが正直なところだ。本国でのマルチバンは、3列シートのもっとも廉価な仕様(といっても、ディスプレイオーディオや電動テールゲートなど基本的な装備は揃っている)で、税込5万9678.5ユーロ=邦貨換算約960万円。ID.Buzzの本国と日本の価格差を考慮しても、インポーターがどう頑張っても800万円はくだらないと予想できる。
しかしながら、T7世代にしてスタイリング・装備ともにぐっと乗用車に近づいた内容に加え、グランカングーの人気や、かつてT3・T4世代が「ヴァナゴン」として正規輸入されていた実績、さらにイギリス向けにすでに右ハンドル仕様が存在することなどを複合的に鑑みれば、マルチバンの日本導入というサプライズに一縷の希望をもちたいところである。